番外編②-19 – 歯車
「1つ聞きたい」
〝
「お前たちは一体何を考えている? 4年前の事件から忽然と姿を消し、今になってなぜまた動きを活発化させた?」
「今回、俺たちが見つかったのはアンタらが『DEED』を潰したからだろ? 偶然さ」
それでも納得した顔をしていない藤村を見て
「ハハハ。暇潰しだよ。分かってるだろう?」
藤村はその一言を聞いて眉間に
「暇潰しでうちの連中を殺したってのか?」
「そりゃあ、襲われたらこっちだってやるさ。正当防衛だろう?」
藤村の脳裏に
「なぜわざわざ姿を現した? 無視してりゃ良かっただろ。お前らほどの実力者ならまた別の場所に移れば良かったはずだ。これもお得意の暇潰しか? 俺との差が理解できないほど未熟でもあるまい」
「……月島姉妹か?」
藤村が少しだけ間を空けてから『月島』というワードを出す。その言葉を聞いて
「アハハハハハハハ!!!」
藤村は不愉快そうな表情を浮かべる。それを見て
「いや〜参った、参った。月島姉妹ね、皆んな大好きだね〜。特に妹の方。まだまだ幼い子に対して相当な入れ込みようだよ」
「それこそ暇潰しさ。あんな女の子、楽しい世界を創るための一要素にしか過ぎない。だけど極上のオモチャ。遊び相手。それに成り得る潜在能力。彼女が実りある成長を遂げられるように見守ってあげてるんだよ」
「見守るなんて優しいモンじゃないように思えるがな、お前らの固執の仕方を見てると。先日の第三地区高校での騒動然り」
「はは。1つ1つが重要なピースなのさ。また大きな出来事が起こるんじゃない? 今あの子、福岡にいるんだろう?」
藤村は
「心当たりあるだろ? 予定ではそれで面白いことが起こる予定だけど」
藤村の身体から徐々にサイクスが溢れ出してくる。
「お前らみたいなのを束ねる存在。
「ハハハハ! そこから間違ってるのさ。別に俺たちは
「結果的に自身の身が危険になってもか? 今のお前みたいにな」
藤村の〝
「そもそもその辺の感覚がお前らとは違うのさ。俺は1つの歯車みたいなものさ。道中なくても良い歯車。だけど動くことで別のギミックを創り出すんだ。創造する過程で犠牲となるなら喜んで犠牲になるよ。例え最後に何が起こるのかを見ることができなかったとしてもね」
藤村は話を聞いた後に大きく息をついた後に
「どうせ
そう言って藤村は〝
––––〝
この
––––ズズズ……
超能力者が死に至る直前、強い思いが〝思念〟となって死体に宿り、目的を果たすまで死後動き続ける現象がある(この〝思念〟が怨みであった場合、〝怨念〟と呼称される)。
––––自殺が完了するまで藤村の動きを止めろ
(コイツ……ッッ!)
舌を噛み切ろうとする
「ゴフッッッ!!!」
「クソがッ! これで満足か? 出て来いよ!」
––––〝
藤村の咆哮の後、突如としてその空間にピッコロの音色が鳴り響き、死に至った
そして藤村の眼前には不協の十二音 第1音・
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