第127話 - 厄介
「いや〜、遅刻してしまって申し訳ない。皆さんお揃いですか?」
葉山は爽やかな笑顔をその場にいる11人に向けながら謝罪する。その後、一度立ち止まって全員を見渡し、2つの空席を見て少し寂しそうな顔をして空いている議長席に着席する。
「呼び出しておいて遅いぞ、
「いや〜、大変だったんですよ? 上野さんの件。
「加えてメディア対応なんかもあるので疲れちゃいました」
葉山は笑顔を崩さないもののわざとらしく肩を落として疲労を過剰にアピールする。
「人気者は色々と大変ね」
「人気者ってのは否定しないんだね」
「えぇ、僕、事実に基づいたことしか言えないんですよ」
「ふん、管理委員会の委員長でありながら我々十二音を率いているペテン師が何を言う」
「おっと、これは一本取られましたね」
「いやいや、僕は聞かれていないだけで嘘はついてませんよ〜。それに……」
「長くなりそうね、帰って良いかしら?」
ここまで腕組みして下を向いていた
「おや、
葉山は両手を机について
「話が脱線して長くなるのが嫌なのよ。女を待たせるなんて最低の所業よ、ねぇ?
「私は別に」
「アハハ、
葉山は愉快そうに笑い声を上げてさらに言葉を続ける。
「だってねぇ? 遅くなったのは何も管理委員会だけじゃないですもんね?」
––––ゴゴゴゴ……
「何が言いたいのかしら?」
「おやおや? お分かりでない? それなら教えて差し上げますよ? 福岡で
「あっ、もしかしてか弱いお嬢さんを再現した感じですか? そうでないとお強い
葉山は息継ぎのために一瞬だけ言葉を切る。葉山は「止めときなよ……」という
「いや、そうだとしてもさすがに死ぬまではないかなぁ? 相手がすごく強かったか……
––––ズズズズ……
葉山の周りから黒いサイクスのドームが出現する。同時に黒い渦から
「
*****
④もし〝
⑤〝
発動した超能力は最低でも演奏される音楽が終わるまで使用し続けなければならない。超能力の併用をすることは不可能で、一度使った超能力を再度使用するには一度現実世界へ戻って再び〝
番外編① – 『予測と結果の狭間で』 参照
*****
〝
「!?」
葉山の背後に立っていた
「その通り、僕は今〝
「この嘘つきが……!」
「嘘はついてませんよ? 僕は『〝
「確かに」と
「あ、あとそれお返ししますね」
葉山はそう付け加えると
「この……ッッッ!」
(疾いな……)
「〝
葉山は意地悪な笑みを浮かべながら痛みに耐える
「そうやって冷静さを欠くから危ない目に遭うんですよ? 気を付けて下さい」
そして不気味なサイクスを僅かに纏いながら
「
その言葉に対して
「あのさぁ!! 仕事増えるの僕なんだけど!」
(厄介だな……
「さ! 本題に入りましょうか。いや〜、それにしてもこれで僕が正直者っていうのは証明されて良かったなぁ〜」
葉山の言葉に対して
「僕も気を付けないとな〜! 聞かれたら僕も正直に答えてしまうかも」
そして葉山の隣の空間が歪み、そこから〝
「内倉さんのように」
その中には福岡で近藤が
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