外伝 クリスマス 怜×真
朝、目が覚めるとやけに体が重く感じ、動かない。
でも別に熱風邪を引いてるからとか、そう言う訳では無い。
これは"いつも"の事だ。
「真冬さん、朝ですよ起きてください」
「んぅ〜」
俺がそう言うと、布団の中からモゾモゾと綺麗な黒髪を伸ばした裸の女性が顔を出した。
え?なんで裸かって?
それは真冬さんが寝る時は裸じゃないと寝れない人だからだ。
別に昨夜そういう事をしていた訳じゃない。
本当だぞ?
それと一緒に暮らし始めて知ったのだが、彼女は寝起きが悪いらしい。
しっかり者の彼女の意外な一面だ。
なので、1度声を掛けたくらいじゃあ本調子にはならないのだ。
「真冬さん、起きるか俺の上からどいてくださいって、朝ご飯作れませんよ?」
「あと30分」
「30分もこのままじゃあ、俺も寝ちゃうって
ほら、洗面所行って顔洗いましょ」
「…………」
返事が無い、ただの屍のようだ。
「起きないなら無理矢理退かしますからね」
「だめ」
「えぇ…じゃあどうしたら退いてくれますか?」
「やだ、退かない」
退いてくれないらしい。
なら最終手段だ。
「じゃあこのまま洗面所まで連れていきますよ?」
これならどうだ!廊下は寒いぞ〜
「いいよ」
「え、本当に言ってる?」
「うん」
そう言って真冬さんは目を瞑ったまま、俺の首に腕を絡ませてくる。
「さすがに何か着た方が良くないですか?寒いですよ?」
「大丈夫、怜斗君暖かいから」
「風邪引いても知りませんよ?」
「怜斗君が看病してくれるから大丈夫」
なんで俺が看病する前提なんだ…
まぁ、本当に風邪引いたら看病するけどさ
「はぁ、わかりましたよっと」
これ以上何を言っても無駄だと思った俺は、真冬さんをお姫様抱っこして、ベットから降り、洗面所へ向かう。
洗面所へ向かう間も、真冬さんは俺の腕の中で寝ている………裸で
なので、俺が歩く度に振動でたわわが揺れる。
なんか色々とまずい気がするので、俺はなるべく見ないように、そして他のことを考えるようにして、気を逸らす努力をした。
だがそんな努力虚しく、真冬さんが更に体を密着してきた。
「完全に目覚めてますよね?」
俺がそう聞いても、返ってくるのは規則正しい呼吸音だけだ。
だが、俺はすぐに嘘寝だと確信した。
なぜなら口元が
まぁ、嘘寝ってわかったからといって、何かする訳じゃないけどね。
「はい、着きましたよお姫様」
俺は抱えていた真冬さんを洗面所の前で降ろす。
「あら、もう着いてしまったの?
もし家を建てる時は、寝室から洗面所を遠くしとかないと」
完全に目が覚めた真冬さんがそう言う。
「絶対にやめてください」
そんなのお断りだ。
◆
「コーヒーどうぞ」
「あら、ありがとう」
朝食を食べ終えた俺たちは、テレビを見ながらゆったりとしていた。
『今日はクリスマス!という事で、街中の人に今日の予定を聴き込んでみました!』
あ、そうかそう言えば今日クリスマスだったな………って!
どうしよう!クリスマスじゃん!何にもプレゼント用意してないんだけど!
「ねぇ、真冬さんってなんか欲しいものある?」
「欲しいもの?……そうね、強いて言うなら貴方かしら」
コーヒーを飲みながら真冬さんがそう言う。
俺が欲しい!?
てことは俺の体にリボンを巻いて
プレゼントはわ・た・しって言う事!?
カオスじゃん!何その地獄!
この人、自分がそういう事言われた時は、タジタジなのに人に言う時はこう、サラッと言っちゃう所ずるいよな。
「そ、それ以外は?」
「………私にプレゼントを買おうとしてるのだろうけど、私は別に要らないわよ?」
「え…」
え…何で!?もしかして俺捨てられる!?
プレゼントも用意してない人なんて要らないって事!?
「だって私はどんなプレゼントよりも、貴方と一緒に居た思い出の方が嬉しいもの」
「え、待って、俺の彼女イケメン過ぎじゃない?いてっ」
俺がそう言うと何故か叩かれた。
真冬さんの方を向くと、何故か怒っていた。
俺は全てを理解した。
「もちろん可愛いよ」
そう言うと、真冬さんは顔を伏せてしまった。
一瞬間違えたかと思ったけど、よく見ると耳が赤くなっていたので、間違っていなかったのだろう。
「大丈夫?」
「………これは責任を取って結婚してもらわないと」
「え?」
「結婚の挨拶は正月でいいかしら」
「ちょ、待って!」
なんでそうなった!?
「あぁ、早く正月にならないかしら」
「待って、まだ俺結婚できる年齢じゃ無いですよ!?」
「なるほど、結婚には反対しないのね」
「いや、まぁ反対はしないですけど!それとこれは別です!」
「それじゃあ正月までに心の準備済ましといてね」
全無視!?
これは早めに止めないと本当に結婚する事になってしまいそうだ…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
読んでくださりありがとうございます!
3つ書いてみてわかったけど自分短編向いてないなぁ。
VTuberの幼馴染に「俺の配信にでてくれ!」と言われたその瞬間から、俺の人生が輝き始めた 猫のストーカー @konohageeeee
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