第17話

俺が響に渡された住所に着くと、そこには新奈さんが立っていた。


「やっほーよく来てくれたね、それと朝早くからごめんね〜」


新奈さんがそう言ってくる。


「え、えぇ大丈夫ですが……どうしてここに新奈さんが?」


俺は何故ここに、新奈さんが居るのか疑問に思い質問する。


「あぁ、それはここがボクの住んでいるマンションだからね」


え!?新奈さんこんなにいい所に、住んでるんだ。

て言うかそれよりも


「どうして俺をここへ?」


すると新奈さんは恥ずかしそうにこう言った。


「そ、その〜ボク、ゴニョゴニョなんだ…」


「え?もう一度いいですか?」


大事な部分がよく聞き取れなかった。


「だ、だから!ボク家事全般苦手なんだ!掃除も苦手だからゴミとかでやばい事に…」


へぇ、それは意外だ。てっきりなんでもできる人だと思ってた。

俺を呼んだのは家事ができると知ったからか?


「絶対呼んだの掃除が面倒だからですよね…」


「別に面倒じゃないんだけど、ボクが掃除をすると何故か、余計に散らかっちゃうんだよね」


余計に散らかるって、どんだけ家事下手なんですか…

掃除なんて、物を片付けて掃除機でホコリなどを吸えば終わりなのに


まぁ、得意な家事をやるだけで学校を休めるなら安いものか


「わかりました、良いですよ」


「ほ、ほんと!?ありがとう!!」


新奈さんは俺の手を握ってぴょんぴょん飛んでいる。


なんか、凄い良い匂いする……


「なんか新奈さんって、この前会った時と印象が違いますね。

前はしっかりしたお姉さんって感じだけど、今は可愛らしい女の子?みたいな感じです」


「そ、それは公共の場だったか……ら?

おわぁ!」


新奈さんは何故かびっくりして飛び退ける。


「どうしたんですか!?大丈夫?」


「だ、大丈夫、怜斗君の顔が近かったからびっくりしただけだ。」


新奈さんの身長は俺と同じくらいなので、こんなに近くに寄られると必然と顔も近くなる。


「別に俺の顔が変でもそんなに驚かなくても良いじゃないですか〜」


「いや、驚いたのは顔が整いすぎてて…」


「なに馬鹿げた事言ってんですか…」


てかここはマンションの前だから公共の場なのでは…


「と、とりあえずボクの家に行こうか」


「そうですね、そうしましょうか」


俺達はマンションのエレベーターに乗って新奈さんの家に向かう。


「そう言えば新奈さんって何階に住んでいるんですか?」


「ボク?ボクはね最上階だよ」


「え!?て事は36階に住んでいるんですか!?」


何故36階と知っているのかと言うと、さっきエントランスで見た案内板には、このマンションは36階だって書いてあったのだ。


もしかして新奈さんってお金持ち?


「違う違うその1個上だよ」


「え?でもこのマンションは36階って」


「このマンション、お父さんの会社が所有しているマンションで、

37階をボクが20歳になった時の誕生日プレゼントで貰ったんだ」


「ん?37階を貰った?」


「そだよー」


「37階の1部屋じゃなくて?」


「うん」


新奈さんって社長令嬢だったんだ……

それでも1フロア貰うって凄いな。


てか1フロアで住んでるのに、なんでゴミでヤバくなるんだ?……

絶対大変じゃんか…


「……えぇ?でもどうやって行くんですか?このエレベーター36階までしか行けませんよ?」


そう、このエレベーターにはボタンが36階までしかないのだ。


「それはこうするんだよ」


そう言って新奈さんはエレベーター内の電子パネルに、何かのカードをかざす。

すると……


『神楽坂 新奈様、お帰りなさいませ。目的階は37階で宜しいでしょうか?』


エレベーターのスピーカーから女性の声が聞こえてきた。


「うん、お願い」


『かしこまりました、それでは動きます』


新奈さんそう言うとエレベーターが動き出した。


「ね?凄いでしょ」


「もう驚きすぎて冷静になりました」


今日は驚きすぎて冷静になることが多いな。


これから先今日以上に驚く事が起こるのだろうか…


「そっか、でも安心したよボクは」


新奈さんがホッとした顔で言う。


「安心?どうして?」


「皆ボクがお金を持っているって知ると、態度を変えてお金目当てでボクに関わってくる人が多かったから、特に男はね。


でも怜斗君は態度を変えたりしなかったから安心したな〜って事」


「じゃあもし俺が、最初から新奈さんがお金持ちと知っていて、お金目当てで寄っていったとしたら?」


「え?怜斗君もそういう人なの?」


俺がもしもの話をすると新奈さんは不安そうな顔をする。


「いやいや、違うよ?もしもの話をしただけだよ?」


「なんだ、良かった!ところで怜斗さんや」


なんか始まったんだが…しょうがない乗ってみるか。


「なんだい?新奈さんや」


「敬語が取れやしたね」


「あ、気づきまへんでした。怒っていやすか?」


ふざけた感じで言っているが、本当に気づかなかった。


「怒ってまへんで、むしろその方が嬉しいでやす」


「ほんまでっか?ほな、これから敬語はやめやすね」


敬語は辞めることにした。

てかなんなん?このノリ


俺達がふざけていると再びアナウンスが聞こえる。


『新奈様、37階にご到着致しました。』


「ありがとう、またよろしくね」


『はい、次の機会もよろしくお願いします。』


どうやら着いたらしい。

エレベーターの扉が開くとそこにはとても広い玄関があった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

読んでくださりありがとうございます!


いや〜久々の更新!


近況報告を見てくださった方は知っていると思いますが、少々厄介事があって更新出来ませんでした。


すいません。


て言うか聞いてくれよ!中間テスト終わったばかりなのにもう期末が来るんだが…


もうヤダぁぁぁぁぁ!

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