014 ギルリック三人衆は俺が潰す
デスザークブレードを手に入れてから、朝を迎えた……俺はデスザークブレードを抱き枕のようにして寝ていた。愛着が湧いているのだ。
「悪魔の剣……確かに禍々しいオーラを放っている気がするなぁ、早く使ってみたいなぁ……」
「「ビィィィィィィィリリリリリリィィッッッ!ユウシャセッキンチュウッ!!」」
「ナイスタイミングゥゥゥゥウッッッ!!」
俺は勇者の強さなど全く考えず、デスザークブレードを使うチャンスが訪れたことにワクワクしていた……!!
◆
『魔王ッッ!!俺たち ”ギルリック三人衆” が討伐しにきたぞぉぉぉぉおおッッッ!!”キリュウ先輩”の敵討ちだぁぁぁああッッッ!!』
勇者三人組が凄まじい雄叫びを上げている……
「ん……?見たことが有るような……ギルリック三人衆……?」
――――――――――――――――――――――――――――――――
(((ドゴッ!!バキッ!ズガッ!)))
俺は三人がかりで袋叩きにされた。身体中が痛い……
『俺たちはキリュウ先輩の師弟!ギルリック三人衆だ。覚えとけカスが!』
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
「「!!」」
その瞬間、デスザークブレードが反応するのを直に感じた……!
「「「ズォォォォォオオオオオオオッッッ!!!!」」」
デスザークブレードから魔力が溢れ出す……!!
「あの時はよくもやってくれたなぁぁアアアアアアッッッッ!!!ギルリック三人衆ゥゥゥゥウウッッッッ!!!!」
俺はデスザークブレードを振りかぶり、飛びかかる……!
『だ、誰だよッ!てめぇはお呼びじゃねぇんだよぉぉおおッッッ!!魔王を連れてこいよックソ騎士がァァアアッッッ!!!』
「お前らだけは絶対に許せねえんだよァァアアッッ!!死ねェェェェェェエエッッッッッッ!!!クソ勇者共がァァアアアアアアッッッ!!!!」
「「デスザーク・ガイアスラッシュッッッッッ!!!!!!」」
凄まじい魔力をまとったデスザークブレードが勇者三人をいとも簡単に包み込む……!!
『う、嘘だろぉぉぉおおッッ!!俺たちは魔王を見ることもなく倒されるのかよぉぉぉぉおおおッッッッ!!!』
「くたばれぇぇぇぇぇエエエエエエッッッッ!!!!」
「「「「ズドォォォォオオオオンンッッッッッッ!!!!」」」」
これまでとは比べ物にならない爆音と爆風があたりを包み込み、凄まじい魔力の流れを感じる……!!!
『ぐあぁぁああああああッッッッ!!!』
勇者三人衆が跡形もなく消えた………
「ハァ……ハァ、スッキリしたぁ………」
俺は開放感でその場に倒れた……
◆
「――んあぁッ!?」
目覚めると、魔王様の前に居た。
『バロウ……デスザークブレードを使いこなせたようだなァ……』
「はい!とても凄まじい力を発揮できました!!」
『そのデスザークブレード……実は”シャイニングブレード”と深い関係があるのだ』
「シャ、シャイニングブレード、ですか……?」
『あぁ、デスザークブレードはもともと”シナリオ”という勇者が使っていた剣だったんだァ……この、シナリオという勇者こそシャイニングブレードの使い手であった”グラピド”の弟だったのだ』
「へ、へぇ……ということは伝説の勇者の血を引く勇者が使っていた剣、ということですか……?」
『あァ……だが、あの勇者らは性格から何まで正反対だった……グラピドは明るく、シナリオは暗い、グラピドは皆から好かれ、シナリオは皆から嫌われていた。そんな毎日にシナリオは”憎悪” ”嫉妬” ”憤怒” の感情が膨れ上がる……その”感情”がそのデスザークブレードの力の源だった……シナリオは一気に強くなり、グラピドを超えた。だが、グラピドはそんな事気にせずひたすらに修行を重ねた……そしてある日、事件が起こったァ……』
「事件、ですか……?」
『兄弟が対立し、喧嘩が勃発したのだ……それはそれは凄まじい勝負だった。お互いに一歩も譲らず、魔力と魔力のぶつかり合いだった。だが、勝負は グラピドが制した……なぜなら、実の兄を前にして”憎悪” ”嫉妬” ”憤怒” の感情が消えたからだ。そして、グラピドがシナリオにとどめを刺してその喧嘩が終わったんだァ……』
「そ、そんなことがあったなんて……あ!だから俺はデスザークブレードの力を発揮できたのかッ!ギルリック三人衆の恨みがあったから!」
『いずれ来るであろう、”シャイニングソード”の使い手は……バロウ、貴様が倒すんだッッ!!デスザークブレードの使い手としてなァッッ!!フッハッハッハッ!!』
「そうですね!!俺が倒しますよッッ!!」
―――この時、この会話が本当になることをバロウは知るよしもない……
魔王を倒そうと思ったら返り討ちにされたので魔王の手下になって次は勇者達を倒します。 ふきゅい。 @yuiyuiyui1031
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