カクヨムに登録した作家がまず読むべきお話★ その二


 


 頁を開いてくれてありがとうございます。


 早速アドバイスと参ります。



   ★ ★ ★



 アドバイスその五 

「作品の掴みはとっても大事!」


 はい。これは唯一作品の内容に関するアドバイスです。

 掴みとは、要は最初の一行目の事です。場合によってはそれに連なる数行も含みます。


 そう。仮に読者が君の作品を開いたとしても、最初の数行だけを見て読むのをやめてしまう……なんて事も珍しくはないのです。

 で、掴みに関して言いますと……。


 今回も実例を上げましょう。↓



━━━━━━━━━━



 私は、今日、人生を終える。


 私の名前は天津あまつうさぎ。高校二年生で、十七歳だ。中秋の名月に生まれたから、うさぎと名付けられた。安直な名前だけど気に入っている。でも、それも今日までだ。


 この日私が訪れた場所は、つぶれたファミリーレストランだった。自殺サイトで知り合った七人の人々と共に練炭自殺をする為だ。



━━━━━━━━━━━



 ↑ これが、僕の代表作「可憐な可憐に殴られる!」の書き出しです。


 まず、一行目で読者に「ん」と、思わせます。

 続く二行目からの一文で徹底的に主人公に目を向けさせます。これによって、誰のお話なんですよ。と、理解して貰います。

 で、残る最後の一文で、状況の説明をしつつ、既に物語が動き出す構造となっております。


 なんか続きが気になりません?  気にならない人はごめんなさいw


 で、二つ目の例です ↓



━━━━━━━━━━━



 僕と可憐が出会ったのは、五月になって最初の月曜日の事だった。


 その日、僕は警察から、大叔父が亡くなったとの連絡を受けた。


 僕は、子熊千夏こくまちなつという警察官の案内で大叔父のマンションに向かった。




 ↑ これは「可憐な可憐に殴られる! パートⅡ」の書き出しとなります。


 なんか、僕の作品PRみたいになって申し訳ない。無断転載する訳にもいかないのでご理解いただけたらと思います。


 で、こっちの書き出しの場合……


 一行目でまず、誰と誰の話なのか? が語られます。引きは二行目以降に譲っている形ですね。

 で、二行目で大叔父が死んでます。これが引きの要素を果たしています。

 残る三行目で、いきなり物語が動き出す構造となっております。


 なんか……ミステリーっぽい香りがしません? ご名答。この作品はミステリー調の内容となっております。



 勿論、僕よりも掴が巧みな作家さんは大勢いると思われます。

 だから沢山の作品を読んでみる事をお勧めします。知れば知る程、それは君の財産になります。


 以上が、掴みに関するアドバイスでした。



 ⭐️



 アドバイスその六 

「作者プロフィールもあった方が良い」


 たまに、作者プロフィールに何も書いていない人がいます。正体が芸能人だとか、名前にブランド力があれば、それでも構わないのですが……僕的には少し勿体ないな。と、感じております。


 例えば、君が誰かの作品を読んで応援したり★を付けたとします。


 で、応援された作家さんが、君がどんな人か気になって、君の部屋に作品やプロフィールを見に来たとします。

 この時、プロフィールに何も書かれていなければ、君が面白い人なのかどうかは、作品を読んでみなければわかりません。


 でも作品の内容が長過ぎたりすると……ちょっと二の足を踏んでしまう事もあります。

 二の足を踏んでいる人の背中を押す要素は、面白そうだと感じて貰えるか、貰えないかです。

 だから、判断材料は多いに越した事がないのです。


 そういった意味では、プロフィールもまた「作品」なのです。


 誰かがプロフィールを見た時に、


「なんか面白そうな人だな。じゃあ、作品も読んでみるか」


 そう思って貰えた方が得ですよね?


 勿論、個人情報を書く必要はないのです。


 ただ、君が面白いのか、楽しいのか、明るいのか、暗いのか、チャラいのか、真面目なのか、深みがある人なのか、薄っぺらいのか? それが分かれば良いのです。


 また、


「自分と似た人や、全く違う人の作品を読んでみたいな」


 そんな風に考えている人の判断材料にもなります。


 ついでに言うと、ペンネームも読みやすい方が得です。

 カクヨムには、作者や作品を検索する機能がついているからです。


「あれ。この前読みかけた作品、途中で読むのやめたけど……なんか続きが気になるな。作者の人、どんな名前だったけ? フォローしときゃよかったな」


 僕はそんな風に思った事が何度かあります。


 そんな時に思い出せたのは、簡単なペンネームの人でした。覚えやすいペンネームだと、検索する時に入力も楽です。

 てか、入力しにくい名前だと、その時点で心が折れて検索をやめます。

 

 で、


 大ヒットしている作品の、主人公の名前を思い出してみてください。


 意外と単純で平凡な名前が多くないですか?


 親しみやすいからですね。

 これは、君の作品のキャラクターに関しても同じ事がいえます。


 。当然といえば当然の事です。

 あ、これは、実は裏技的情報なので、一話目しか読んでいない人にはナイショですよ? なんちってw


 それから……。


「どうしてもプロフィールを書く事に抵抗があるのだ!」


 そんな人は短編を書く事をお勧めします。

 短編だったら、


「ちょっと読んでみちゃおうかな」


 的なノリで開きやすいですし。短編が君の名刺代わりになってくれます。

 短編が面白かったら、他の作品を読んで貰える確率もちょっぴり上がる。と、いう事ですね。



 長文にお付き合いいただいてありがとうございました。



 ★ ★  ★



 ここからは、


 「俺、既に失敗したっぽいんだけど!?」


 みたいな人を対象にアドバイスします。




 ★ ★ ★




 アドバイスその七 

「作品が埋もれたらこうしよう」



 前話までに紹介したあらゆる努力をしたにも関わらず作品が埋もれてしまった!

 

 登録したてで勝手が解らず、うっかり作品を埋もれさせてしまった!


 そんな事もあるでしょう。


 作品が埋もれてしまった場合、それを掘り起こす方法は大まかに四つです。



 一つ。自主企画に参加する。


 二つ。自分が自主企画を行う。


 三つ。他の作品で読者を引っ張って来る。


 四つ。仲の良い作家仲間を大勢持つ。


 五つ。宣伝する。



 以上が、代表的なやり方となります。



 まず、一つ目

「自主企画に参加する」に関して言うと……


 僕は自主企画にはあまり参加した事がありません。なので、これに関してはあまり効果を喧伝できません。企画によっては凄く作品と相性が良くて効果が期待できる! みたいな事もあるかも知れません。また、良いライバルや理解者に出会える事もあるので、お勧めはしておきます。




 で、二つ目です!

「自分が自主企画を行う」

 これは結構効果が見込めます。


 僕自身は企画した事が無いのですが、自主企画の主催者のPVの伸びや★の増え方を見ていたら……結構伸びています。面白い企画を思いついたら、臆せずやってみる事をお勧めしておきます。

 面白い自主企画が増えるのは、カクヨムにとっても良い事です。まあ、同じような企画が乱立し過ぎるのも問題ありなので、空気を読んで程々のタイミングで企画を立てましょう。

 それと、なるべく意義のある企画を心がけましょう。読者や参加者が楽しめそうな企画ですね。読み合いばかりで楽しい企画がなければ、読み専さんは来てくれなくなります。


 また、自主企画には注意事項があります。企画に参加している作家同士だと、★や応援「ハートマーク」を貰ったとしても、それがランキングに反映されません。

 なので、企画に参加する時も自分が企画する時も、企画内容や注意事項をよく吟味して行いましょう。


 それと、既に同じ企画が立っているのに、同じような企画を立てる行為はマナー違反かと思います。

 現状、自主企画は読み合い企画が乱立し過ぎていて、読み専さんが殆ど訪れないゴーストタウンと化しています。

 一度の読み合い企画で読み合えるのは、せいぜい二、三作品が限度でしょう。二、三人で、ランキングに絡まぬ★を付け合うよりも、一万人の読み専さんが作品を読んでくれた方が遥かに効率が良いし、それこそ、望むべき展開ですよね?

 であれば、自主企画でのマナーは極力守った方が、結果的には全員にとって得かと思います。





 続いて、三つ目は

「他の作品で読者を引っ張って来る」です。


 実は……これは僕も行っています。正攻法の中の正攻法です。結構効果を実感できる方法でもあります。


 では、具体的にはどうやるのでしょうか?


 君は、他作家の作品をいくつ読んだでしょうか? その時、気付いた事はありませんか?


 そう。作家の殆どが、詩とか、エッセイとか、何かしらの誘導作品を持っているのです。


 要は、その誘導作品で読者を獲得してしまえば良いんですね。詩とかエッセイを気に入ってくれた人は、君の他の作品にも目を通してくれる確率が高いのです。作品が沈んだら、他の誘導作品で取り返せば良いのです。


 よくある方法としては……


「詩を連載する」


「短歌や和歌、俳句等を連載する」


「エッセイを連載する」


「創作論を連載する」


「檄文や演説を連載する」


「短編集を連載する」


「旅行記など、日記に近い内容の物を連載する」


「論文的な内容の物を連載する」


「特定の知識に関するハウトゥを連載する」


 等々です。



 因みに、僕の場合はエッセイを連載しています。

 エッセイを始めた頃には僕の全ての作品が埋もれていました。


 主力作品の「可憐な可憐に殴られる!」は、連載を終了してから一か月程が経っても★が六つしかありませんでした。


 そんな作品達が……今ではまあまあ立派に成長してくれています。




 そして四つ目、

「仲の良い作家仲間やファンを大勢持つ」


 なんですが、実はこれも結構重要だったりします。


 カクヨムでランキング上位に食い込む為にはスタートダッシュが重要です。出だしてどれだけの人が背中を押してくれるかが大切なのです。一瞬であれ、作品が誰かの目に触れる位置に置かれる。そうなって初めて、本当の意味で、あなたの実力や作品の力が試されます。


 では、良い理解者を得るにはどうしたら良いでしょう?


 応えは単純です。


 色々な作品を読んでみましょう。

 素晴らしい作品に出会えたら、どうせ応援コメントとかしたくなりますし。僕の場合は色々読んでコメントしたり学んだりしている内に、いつのまにか仲の良い作家さんが増えました。



 ◇


 2023 5月11日 追記


 作家同士の交流に関しては、システムの変化に伴って、かなり重要性が増しております。何故なら、検索時に関連作品が表示されるようになったからです。


 例えば、とある読み専さんが、あなたと仲良しの作家さんの作品を読んだとします。すると、その読み専さんの検索画面には、高確率であなたの作品も、お勧め作品として表示されるようになったからです。

 つまり、あなたの仲良しさんが勝手に読者さんを連れて来てくれるのです。

 これは、読み合い企画に参加するよりも遥かに重要な要素です。読者さんを増やしたければ、色々な作品を読みにいきましょう★


 ただし!

 読むからにはキチンと読んで、作品を楽しみましょう。読者さんに対して誠実である事は当然として、あなたと切磋琢磨してくれる作家さんや、その作品にも敬意を払いましょう。



 ◇



 最後に五つめ、

「宣伝する」


 これはSNS等で宣伝する事を指します。

 ただ宣伝しても効果は薄いので、宣伝先で実力を示すと良いでしょう。アホ程笑わせたり、関心するような話で「面白い人だ」と、思って貰えれば、読んでくれる確率は上がります。


 今回はあまり大した情報は提供できなかったかも? しれません。あくまでも参考程度に受け取ってくれたらと思います。



 以上です。

 本来はここで終わる予定だったのですが、重要な事を言い忘れていたので、急遽、三話目をお届けします。


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