第38話 兄妹の再会②

カイルはルルと楽しそうに話している。ジェラルドとサマンサは嬉しそうにそれを見ている。



「でも会話の内容がね……」苦笑いのミランダ



「あぁ…」苦笑いのジェラルド



「引きこもってたの?王子なのに?面白い!」爆笑するルル



「お風呂は嫌いなんだ…でも臭いって言われるから」真剣なカイル



「お風呂入らない王子って面白いね!」



「そうかな?」何故か照れるカイル




リリアーナはおちび達とエチカさんと遊びという名の訓練をしている。窓から見えるその光景は皆をほっこりさせる。リリアーナ専用の軍服もエチカさんが特注で作ったらしい。ドン引きだがリリアーナは目を輝かせていた。



「リリー!おちょろいだー!」



「「おちょろいー!」」小躍りするおちび達



そんなリリアーナを唖然と見ているカイル。



「リリアーナがおかしくなっています!」



「兄、君もまあまあおかしいよ?」



ルルの言葉に頷く両親とおばあ様。



「僕はこれからルルのために頑張ります!それとリリアーナを看病します!」



「姉さんはまともだよ!やっと楽しみを見つけたんだから、もしかしたらエチカさんの後継者になるかもね」



その言葉に皆が苦笑いで頷く。



「エチカ叔母様の後継者って…あのリリアーナが…僕が引きこもってた間に何があったんだ!」



家族で話していると、小さな3人の視線を感じて窓を見るとおちび達が張り付いていた。皆に気づかれると3人が楽しそうに手を振ってくるのでルル達は手を振り返す。カイルは不思議そうに3人をみる。



「あの子達は何者ですか?」



カイルに事情を話すと、おちび達が大物貴族の子息と知って驚いている。特にエチカさんの息子チロは従兄弟になるので挨拶をしようと窓に近付いて開ける。



「君が従兄弟のチロ君か」



「にゃぜチロにょにゃまえちってるのー!」驚くチロ



「「おみゃえにゃにものだーー!」」警戒するエドワードとリク



「私はカイルだ」



「「「カエルー!」」」3人ハモる



周りは爆笑する。特にリリアーナは腹を抱えて笑っている。




「カエルではない!カイル、カイルだ!」



「カエルー」



「「ゲコゲコ!」」



「カエルー」



「「ゲロゲロ!」」



カエルにハマったおちび達は歌いながらピョンピョン跳ねている。話を聞かないおちび達に唖然とするカイル。



「カエルお兄様…プッ」リリアーナが爆笑する



「お姉様失礼ですよ、カイ…カエルお兄様に!」



「ルル!リリアーナ!」



ぷんすか怒るカイルとからかう妹達の微笑ましい光景に幸せを改めて噛み締めるジェラルド。ミランダと顔を見合わせ2人で心から笑う。



「よし!カイル!リリアーナ!ルル!遊ぶか!」



「はい!」目を輝かせるリリアーナ



「えーー!」面倒くさそうなルル



「はぁ?」信じられないカイル



「チロもあちょぶー!」



「「ぼきゅもー!」」



おちび達がジェラルドに纏わりつくのを信じられない思いで見ているカイルだった。



次回 王様を倒そう!?

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