13
さて、私は来栖さんの疑いを晴らしてあげないと……。
コウくんはまだ塾なのか来栖さんと会う前に送ったメッセージに既読すらついていない。
私は再度コウくんへメッセージを送った。
”話があるから時間ある時にうちに来て”
私は携帯を閉じると、自分のノートの恋愛の部分に、来栖さんと話して感じたことを記載した。
好きだとしても、想いを伝えることもせず、ただ見守る。
恋愛をしてはいけないからと自分の気持ちを押し殺す。
今時政略結婚などはないと思っていたが、そういう人もいるんだな。
私がもし政略結婚をさせられたとして、その関係は一体どんなものなのだろうか。
愛とか好きとかという気持ちは生まれるのだろうか。
よくわからないな……。
「ふぅ〜」
ため息をつく。
私の人生においてそんなことはあり得ないけど、人生において結婚は好きな人とするべきだろうと思う。
というか結婚は流石に遠すぎて全く実感湧かないな。
ドレスには憧れがないわけではないが、結婚式はあまり開きたいとも思わないしなぁ〜。
1人でそんな想像をしてると、携帯が鳴った。
画面を見るとコウくんからの電話だ。
通話ボタンを押し、話し始める。
「もしもし?コウくんどうしたの?」
私の言葉を遮るようにコウくんが話し始めた。
「奏大丈夫か?今どこだ?何もされてないか?」
矢継ぎ早に質問され、焦っているのだとわかる。
私ははっきりと伝える。
「私は家にいるし、大丈夫だよ」
コウくんは少しほっとしたようだ。
「あぁよかったぁ〜」
電話の向こうから女の人の声がした。
コウくんはそれに対して何か返答をしているようだが、内容までは聞き取れない。
しばらくするとそのまま通話が切れた。
……。
もしかして今一緒にいるのが例のあの子なのかな?
まぁ落ち着いたらコウくんからまた連絡来るだろうと携帯を置くと再び結婚のテーマについて考え始めた。
作業に没頭しており、気づいたら深夜0時になるところだった。
あれ?そういえばコウくんから連絡きてないな?
そう思い席を立つとコウくんの部屋を確認した。
おかしいな電気ついてない。
私は携帯を開きコウくんにメッセージを送る。
”まだ家に帰ってきてないの?”
しばらく待ってみたが既読すらつかない。
うーんどうしたんだろう。流石に平日に友達の家に泊まるってことないと思うんだけど。
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