きっと…出会いは運命

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私は家に着くと早速ピアノに向き合った。

「恋愛の種類か……恋愛したことない私からしたら恋愛ってなんだろうなぁ」

独り言を呟きながら、メロディを考える。

“恋愛ってしなきゃおかしいの”・“みんなの話に混ざれなくて空返事”・“目が合うだけで泣きそうになって”・“いつの間にか綺麗になる”・“私は混ざれないまま”・“遊びの予定も合わなくなって”

どんどんキーワードをメモしていく。

私自身は恋愛をしたくないのだろうか？いやそんなこともないのかな。どこかできっと自分にも運命の人が現れるって思ってるかもしれない。

でも私がまだ小学生の時に両親が大喧嘩して離婚危機に陥った時は、愛なんて続かないんだろうなとも思った。

この前授業でも人が1人の人を愛せるのは長くても3年って言ってたんだよね。

3年か……。3年経ったら愛は何に変わるんだろうか。

そして3年過ぎても仲良さそうな夫婦はなんなんだろうか。

私は自分が愛されなくなるのが怖いのだろうか……。

そもそも私は将来も音楽で生計を立てて行きたいし、そういうのに理解ないと無理だよなぁなんて考えてふと時計を見たら深夜12時を回っていた。

寝ようかなとも思ったが、ふとクラスメイトから借りた漫画が目に入った。

何か参考になるかもしれないと思い読んでみることにした。

物語は私と一緒で恋を知らない女の子のストーリー。

彼女はいろんな人と接することで感情というものを知り、愛しているという感情を知っていく。

人気になってるだけあり、私は時間を忘れてのめり込んだ。

全巻一気に読み終えて気づいたら早朝になっていた。

音楽以外で時間を忘れたの久しぶりかも……。

それにしても良い作品だったなぁ。

私もいろんな人の話を聞いたり、多くの人と触れ合ったりしたらわかるものなのだろうか。

私もいつか”恋”を知れたらいいなぁ〜。

気づいたらそのまま寝てしまったようだ。

時刻は午後2時を回っていた。

朝昼ごはんを食べると私は自分の部屋に戻ってきて、明け方まで読んでいた漫画をイメージしてピアノを弾く。

彼女の気持ちの変化を想像しながらメロディを奏でる。

恋愛ってドキドキとかワクワクのイメージだったけど、不安とか苦しいって気持ちだったなぁ〜。

恋愛曲なのにこんな感じの曲調でもいいのかな？少し不安に思いながらも感じたままに曲を弾き進めていく。

途中何度も止まったりしながらもなんとなく終わりの部分まで引き終える。

キーボードとパソコンを繋げて録音しておいたので、弾いていたメロディを聴き直す。

聴き直しては修正を繰り返し、納得のいく曲を作り終えた。

あとは……歌詞か。

メロディを再生しながら別のスペースで仮歌を歌っていく。

メロディ全体にどんな歌詞を置くかを決めたので、あとは言葉の繋がりやワードを調整していけば1曲が完成する。

少し気が緩んだせいか、お腹がグーっとなる。

気付けば20時を回っていた。

夕飯を食べお風呂に浸かってからまた再開することにした。