第82話
先輩には早乙女達のせいで勝利の瞬間を見逃した事を謝った
先輩は全然気にした様子もなく笑顔で許してくれた
優しい…好き
試合は相手が霊弾祭りで反撃して来ない先輩がダメージを負ったと勘違いし余裕かましながら近付いて来た所を1発…
危なげなく勝利する事が出来たみたいだ
傍から見れば余裕の勝利だが、この結果は特訓の成果がかなり現れている
前までの先輩でも霊弾でダメージを負う事は無かっただろうが、霊弾の弾幕に突っ込んで力技でなんとかしようとしたはずだ
そうなると相手も本気を出す事になってもっと試合が長引いたと思う
「我慢」を覚えただけでワンランクもツーランクも実力が上がったのだ(教えるのは大変だったけど…)
今の先輩は強い!!
だからあんなやつらの言う事なんて…
その時の俺はまだ現実を知らなかった
初戦Bグループの12試合が始まる
俺が見るのは早乙女の試合
あの口ぶりならほぼ確実に代表だろう
ただあいつがどこの代表なのかが分からない
会場を駆け回りながら探した
12試合もあるせいで探すのに苦労したが始まる前になんとか間に合った(観客席の伊集院を先に探した)
早乙女は東京代表だった
しかも東京校は前年度優勝校なので2枠ある内の1位代表の方
あれ?でも伊集院がここに居るってことは2位代表は伊集院じゃないのか…?
肉弾戦も強そうで霊力も中級くらいはあった
かなり強そうだと思ったのに代表じゃないって事は東京校は化け物揃いなのか?
だとしたらそこで1位の早乙女は相当強いという事になる…
でもそこは納得出来ない
早乙女の霊力はお世辞にも多いとは言えない
下級にすら届かない、並級に毛が生えた程度
伊集院のように肉弾戦が強い訳ではないだろう
何より校長やおっさんのような強い陰陽師から発せられるオーラのような物を感じない
俺の予想通り大した事はなくてこの試合もあっさり負けるじゃないだろうか?
そんな事を考えていたら試合が始まった
相手は沖縄代表の3年男子
霊力は中級くらい
見た目は結構強そう
肌黒いし…(関係ない)
試合が始まったのに早乙女は霊装展開しない
どころか俺の方を見た
自意識過剰とかそういうのではなく確実に目が合った
そして自分の目に指でトントンと触れた
まるで「しっかり見ろよ」とでも言うかのように
その態度に腹を立てた沖縄は一直線に早乙女に突っ込む
それに対し早乙女は霊弾を2発放つ
勿論そんなのは当たるはずもなく沖縄は軽く避けた…はずだった
完璧に回避したはずなのに沖縄は被弾した
ダメージは少なかったからすぐ体勢を立て直し再度攻撃を試みるがまたもや回避したのに被弾
さっさと倒せばいいのにまるで見せつけるかのように同じ光景が何度か続いた
ダメージが積み重なり沖縄がフラフラになった所でようやく普通の霊弾を直撃させ試合は終了した
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