第32話 オープンスクール

いよいよオープンスクールの時が来た。5校も行くので大忙しだ。

最初に行く学校は1番成績の良い友人の志望校で、この地区では2番手にあたるかなりレベルの高い高校だ。制服は夏冬とも青を基調とした可愛いと話題のセーラー服。私が手の届く学校ではないが、進学校らしいハイレベルな雰囲気があって目指すのもアリかなと思えた日だった。学食がボロボロな点だけがイマイチ気に入らなかった。

翌日は私の志望校だった。ここは理系がすごいと有名な学校で、昨日行った学校に次ぐ3番手くらいのレベルにあたる。同地区ながら私の住む市から少し外れた場所にあるものの、雰囲気もよくここで勉強したいと思えた。

模擬授業での話が1番面白かったと思った。


1週間空けて公立高校最後のオープンスクールへと向かった。

この学校は県内平均よりやや高めに位置する高校で、私はこの時既にB判定を取れていた学校だった。

制服は私たちが普段着ているセーラー服とあまり変わらないデザインで、平線であるという点以外ほぼ同じだった。夏は白いセーラー服を着る。

中での説明会で聞かされて意外だったのが、ここが元女子校で今でも女子生徒の割合が多いということだった。設備に力を入れており、私たちの世代の入学式を新体育館で行うと言っていた。

ここまで公立高校3つを回ったが、やはりどの学校にも魅力があって志望校を絞るのも難しく感じた。


続くように私立のマンモス校と呼ばれる生徒数を誇る学校へと向かった。

この高校の制服はブレザーだ。茶色を基調としたスカートとブラウス、そこに紺のベストを着て、首元には金のリボンを着けた上から紺のブレザーを着るといったスタイルだ。

滑り止めとして定評のある学校ながらすごく雰囲気が良いような感じがした。この学校には4段階のクラスからなる普通科と芸術系のクラスとが存在する。文武両道を掲げており、様々な部活がここにはあった。私でも部活ができるのかもしれない。

敷地があまり広くはないのだが、校舎が綺麗に建っていて過ごしやすく、すごく楽しい時間だったと思う。

学食も安い割に麺も定食もカレーも様々な種類があって、個人的にこの点も高評価だった。

さらにこの学校には夏休み明けの体験入学でも来ることになっていたので、事前予習のような形にもなった。


立て続けのオープンスクールの締めは例の女子校だ。この学校はとにかく制服が可愛いし、入学できるのならぜひ行ってみたいとは思っている。

学園祭に行った際にある程度のことは把握していたが、改めて見てみるとこの学校は全体的にオシャレだった。

体験授業が終わると、この学校で実際に行われている女性教育の体験へと移る。ここで私は挨拶について学んだ。今まで軽く何も考えずやっていた挨拶にもきちんとした作法があり、それだけに1時間も使って熱心に教えてくれた。この体験は今でも忘れられない。

学食も女子校ならではのヘルシーなものとガッツリ食べられるものがあり本当に美味しかった。

私を含め女の子しかいない空間だったのでやはり緊張したが、本当に充実していた。


オープンスクールは試験を受けることよりも価値があると思えた日々だった。機会があればまた秋のオープンスクールにも行きたいと思った。

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