181皿目 丸鶏(廃鶏)

 上野の思い出。


 アメ横地下のよくわからん食品売り場で、丸鶏が350円で売っていた。桁は間違っていない。表記が中国語っぽいのでよくわからないが、卵を産まなくなった廃鶏であろう。魚も今一つさばけないくせにばらすのが大好きな自分は、これを食材というより半ばおもちゃとして購入した。


 ネットの記事を見ながら分解していく。やはり若鳥ではない。脂身ばっかりで、身は少ない。が、少ないなりにちゃんとモモ、胸、ささみと分解することができて理科の時間のようなわくわくを覚えた。焼き鳥でおなじみ、ぼんじりも取れた。一羽から本当に1個しか取れない希少部位である。焼き鳥屋さんで別に高くないのはなんでだろう。肉は堅かったが、噛み応えがあるという解釈もできる。うま味も濃い。刻んで塩コショウでシンプルに食べたが、大変おいしかった。皮もぱりぱりに焼いて、酒のあてにする。

 ちなみに肉よりこっちが本命だったのだが、ガラから出汁もとった。鶏がらに限らず、肉類から時間をかけてスープをとるのは楽しいものである。煮ながらアクをとり、塩で味を調えるだけでおいしいスープになった。このスープでご飯炊いたりしてもおいしいんだよね。一羽丸ごとごちそうさまでした。

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