第204話魔法
「なんだ?ミラは魔法を知ってるのか?」
ハーパーが私の反応に驚いていた。
「俺はエルフなんだよ。昔は魔法が使える人達も結構いたけど今はほぼ居ない…多分今の時代で唯一ちゃんと使えるのがノアだけだな」
「ノアちゃんってすごい!」
可愛いだけじゃ無くて魔法も使えるなんて…だから色々な物を作り出せたのか…
ノアちゃんの物を作るカラクリが少しだけわかった気がした。
「そういえば…ノアちゃんは大丈夫なの?」
私はノアちゃんが心配になってきた…そんなにすごい子なら私なんかよりもよっぽど狙われそうだ…
「今、ロードが迎えに行っている。まぁ守ってるのが騎士団長だから大丈夫だよ」
「そうだね、あのおじさんすっごく強そうだった!」
私達はノアちゃんが来るのを心配しながら待つことになった。
◆
その頃ノアを守っている別部屋では…
「ピ…」
ノアがピクっと反応すると…ジフ騎士団長がカゴを持ち上げて扉から離れた壁に移動した。
「?団長どうされました?」
一緒に護衛をしていた兵士がその行動に疑問を持ち声をかけようとすると…
「シッ…」
団長が指を口に当てた。
その行為に兵士達は口を閉じて扉へと集中する。
剣を握りしめていると…
「私です…」
「その声はロードか?」
「はい」
ロードがサッと部屋に駆け込んで来た、その様子は走ってきたのか汗をかいていた。
「すみません…なかなか人を撒けずに…一人ここまで来てしまった…団長よろしくお願いします」
そういうと、団長は籠をロードに渡す。
「お前達はロードとノアさんを必ず守れ…外は私が行く」
「しかし団長!」
「どうも手練を用意したようだ…そのノアさんにはそれだけの価値があるのだろう。しかし私はあの子に任された以上誰にも渡す気はない!なのでここは私が行く。外から扉を壊すから私の返事があるまで開かないように…」
ジフはそう言うと扉を出ていった、そしてノブを壊して中に入れないようにすると…
「ここか…」
顔を隠した男達がジフの前に現れた。
「王宮内でこのような騒ぎ…覚悟は出来ているな?」
「ああ、ご主人様もわかっているようだ…あの鳥を寄越せ…アレにはそれだけの価値がある!」
「馬鹿な主人を持つと大変だな…」
「そんなのはわかっているが金払いがいいんだよ…どうだい団長さん、あんたもこっちに来ないか?あんたほどの腕ならご主人様も喜んで迎え入れてくれると思うぞ?もちろん今の給金の10倍は貰えるな」
「10倍ね…」
ジフは顎を擦りながら考えると…男達はニヤリと笑う。
そりゃそうだろう。今の10倍の金を貰えるとあれば心が動かないやつなど居ない…
この団長さえ仲間に引き入れてしまえば楽なものだ!
「さぁどうする?」
男達の問にジフは笑顔を返した。
その反応に確信する…騎士団長と言えどただの人だと…
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