第39話料理

「じゃあ先ずはミラの服が汚れない様にエプロンだな…ちいせぇ体だなぁ…なんかいいのあるかな?」


ビオスさんがゴソゴソとあさるがミラのサイズの物などなかった…


「しょうがねぇ、タオルでも腰に巻いとくか…」


ビオスさんはタオルを持ってくると


「ほら、バンザイしろ」


「バンザーイ!」


ミラが両手をあげると腰にタオルを巻いてギュッと結ぶ。


「きつくないか?」


ミラの様子をうかがうと


「大丈夫!」


嬉しそうにニコッと微笑んでいた。


ビオスはつい顔がニヤけると


「よ、よし。じゃあ先ずは何する?」


「うんとね…じゃがいもの皮を剥いて茹でる」


「わかった、ミラには刃物はまだ危ないからな…まぁ見ててくれ」


「はーい」


ビオスさんはミラに椅子を用意してやるとそこに座らせておく。


奥から大量に芋を持ってくると手馴れた様子で皮を抜き出した!


「ビオスさんすごい!」


ミラは目を輝かせてビオスさんの皮むきを凝視する。


「そんなに面白いもんじゃないぞ?」


そうは言いながらも嬉しそうにいつもより早く皮を向き終えた。


「ほら、剥けた!じゃあこれを茹でるんだな」


「うん、後は…他の野菜を入れてマヨネーズで混ぜる!」


「マヨネーズ?」


ビオスさんが首を傾げると


「マヨネーズ知らない?白くて美味しいやつ…」


「いや、わからんな」


「そうなんだ…確かあれは卵と油とお酢で作るってテレビでやってたなぁ…」


ブツブツ昔の記憶をたどると…


「ん?あっ油使うから駄目か~待って…確か健康番組で油を使わないレシピがあったはず…」


うーん…と頭を抱えていると


「ミ、ミラ…大丈夫か?」


様子のおかしなミラを心配してビオスがオロオロしている。


「あっごめんね!大丈夫だよ。そうだ!ビオスさん食材見せてもらってもいい?なにか使えそうな物ないか見てくる」


「おお、いいぞ。気をつけてな」


ビオスさんは椅子からミラを下ろしてやると


「俺はお湯見てるから行けないけど大丈夫か?」


「それくらい大丈夫だよ!行ってくるね!」


心配そうにチラチラとこっちを伺うビオスさんに気付かずミラは食用倉庫へと向かった!


食用庫には色んな野菜やら食材が乱雑に置かれている。


「あーあ…これじゃ何がどこにあるんだか…」


ゴソゴソ下の方をあさっていると…


「ん?なんか袋があるぞ…」


麻袋に大量に入ったものが沢山積まれている。


「うんしょ!」


ミラは思いっきり袋を引っ張ると


グラッ…


上に積まれていた積荷がバランスを崩して落ちてきた!


「あっ…」


ミラはその様子をスローモーションの様に見つめていた…

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