味ポテトチップス・よーいドン!・ビンタ
その既視感のようなものは新作味のポテトチップスを口で感じることを予想するよりも楽に想像することができた。しかし絶対にそれを体験したことがあるわけではない。
それでも、後ろにいるはずの小さな存在が自分たちの力を信じさせてくれる。炎のブレスは氷を溶かし風を吹き飛ばしてもそのさきにいる佑たちには届きはしない。
その間に
それがよーいドン!の合図になったかのように全員が一斉にドラゴンに向かって走り出す。それぞれの獲物を手にしている。全員がドラゴンをビンタで倒せる相手でないことを本能で理解しているからだ。
なんだか妙な気分だ。全員がなにを言葉にするでもなく感覚を共有しているような気分。全員が理解しているし、その事自体に希望を抱いているのだ。
この地下世界からの解放。それはもともと目の前のドラゴンが抱いていた希望のはずだ。それが入れ替わってしまっている。
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