お姉ちゃん・デラックス・何も言えなくて
「ねえ。こんな感じで目的達成できるのかな?」
「砂浜くらいなら動きに支障はあるまい?思う存分かかってこい。相手をしてやる。それがここの王者の務めだ」
ドラゴンらしく堂々としたその姿はやっぱりおじさんにしかみえない。
「まとめてかかっていてもいいのかい?なにせこっちは非力の集まりなんでね」
少しでも勝算を上げるためには仕方のないことだとは思うけど、いきなり言われると心の準備が追いつかない。
「ああ。いいとも。あんたらは語り部なんだろ?多少強いだろうが、我にとってみればそもそも存在としての底が違う」
「言ってろ。こっちだってそんな生半可な覚悟でここにいないんだ」
永遠さんの言葉に楓さんも
まるでお姉ちゃんができたみたいで、ちょっとだけ心が揺さぶられる。その中には永遠さんも入る。
「なるほどな。ではこちらも本気でいく。このままでは戦いにくいので本来の姿に戻らさせてもらうぞ」
おじさんの姿が光に包まれたかと思ったら、その光が膨張していく。驚くべきことにそれはファンタジーの世界に出てくるドラゴンの姿そのものに変化していった。
「レッドドラゴン……」
「ほんとにいるんだ……」
「おお。ホンモノだ」
「デラックスじゃん!」
それぞれ思い思いの感想を口にする中に
「逃げろっ!」
永遠さんの言葉にとっさに動こうとするもどこに逃げていいのかさっぱりわからなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます