母親譲りの・夢を叶える・どすえ
「
攻めあぐねた結果だ。どうにかして隙きをつくしかないのだけれど。その方法が思いつかない。かといってなにもしないければジリ貧だ。同時攻撃とカッコ良さげなことを言っているが苦し紛れの1手だ。
「マジでか!?そんな攻撃通じるんか」
素直にしたがってくれればいいのに、いちいち反論しくてくるあたりめんどくさいと思ってしまう。文句があるなら代わりの案をを出してほしいものなのだけれど。
「まいっか。合わせるぜ」
その適当な感じがいいのだろうか。夢を叶えるためにアイドルに変身している真面目なやつとは思えない返しに呆れもするけれど頼もしくもある。この状況下でも絶望しなくて済む。
「いくら企んでも一緒だ」
男は棒を振り回しながら近づいてくる。その動きに隙きと呼ばれるようなものは見つけられない。しかし、それは
「隙きあり!」
いや、わざわざ声をだして気づかせる必要はないだろう。
「ぬ!」
男はその声に反応して永遠の方へ棒を振り回す。しかし、そこに永遠はいなくて。声を出しただけでその場にじっとしている永遠の姿があった。
これでより隙だらけの背中が佑の方を向いている。そこに向けて斬りかかる。このままでは金属に弾かれるだろう。でもやらなくては気がすまないのは母親譲りの性分だ。
そこまで思考が進んで初めて違和感を覚える。自分に母親と呼べる存在がいるのだろうか。設定上はきっといるのだろう。でも物語に登城していなかったらそれは存在することになるのか。短い時間で思考が巡る。
『剣は心。迷いの中では斬れるものも斬れないどすえ』
知らない記憶が流れ込んでくる。これはなんだ。意味がわからない。混乱する中、振り下ろしていた剣は男が着込んでいた金属を切り裂いていた。
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