もじもじ・いちご・マン
ダイナマイトボディを前に、どうしていいかわからず戸惑っている。なぜだかわからないけれど、向こうもおんなじようで何も仕掛けてこない。お互いもじもじしてしまっている。
「おーい。なにかしてくれないとレベルアップできないんだがー」
アイドルっぽいひらひらの衣装を着たダイナマイトボディアイルドルを見ていると、たしかにこれが養殖で、後ろのが天然というのがなんとなくわからる気がする。
いちごの柄が描かれているその衣装は露出が少ないほうだと思うのだけれど、着ている本人のポテンシャルを持って、その姿はじっと見つめるといけないことをしている気分にさせる。
昨日はフルーツを飛ばしてきたから今日は何を仕掛けてくるのかと身構えているのだが、何も起きないしなにもしてこない。
「ねー。なにかしてきてくれないと困るんだけど」
ダイナマイトボディはそんなことを言ってきて、まさかこちらから襲いかかれと言うのだろうか。そんなこと気恥ずかしすぎて出来る気がしない。
「なー。これほんとに意味あるのかよー。もっとアイドルらしく歌って踊ったりして目立ったほうがレベルアップするんじゃないのー?」
後ろで楽しく談笑しているふたりに話しかける。
「それじゃあ。私の練習にならないでしょ!」
ダイナマイトボディが我慢できなくなったのか襲いかかってくる。まさかの肉弾戦らしく、おおきく振りかぶって殴りかかってきた。
「う、うわぁ」
情けない声が出てしまったのは不意を疲れたからだ。
「おっ。やっと始まったー。がんばれー」
嘘みたいだけど、応援され始めた。ジョブチェンジ能力で盗賊になって躱し続ける。どうしたって触れたくない。嫌な予感しかしないのだ。
「ちょこまかと!」
「なんか体ひと回り大きくなってないですか?」
筋肉が大きくなってなんとかマンみたくなっているそれが嫌な予感だと悟って組んだらヤバいと体が反応する。
「これが私の能力だからね」
プロレスラーのごとくのっしのっしと近寄ってくるそれをどうしていいのか昨日に引き続きわからなくて逃げ回り続けた。
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