ダイナマイト・永遠の・チラリズム

「ねえ。このくらいのチラリズムなら許されるかな。もっと隠したほうが清純系をアピール出来るかな。あんまりやりすぎるとがっかりされちゃうよね」

「それくらいならいいんじゃないか。ファンもそれくらい期待しているだろう。当然やりすぎはよくないが、まあ許容範囲内だな」


 七日間戦争の二日目は聞いてはいけないようなふたりの会話から始まった。


「なにを話してるんですか。真面目にやってくださいよ。昨日もみているだけだったし」


 そう言いながら気になって喜美子きみこの方ばかり見てしまう。昨日渡れた手紙の内容を直接聞いてしまおうかと思いはするものの、きっとはぐらかされるだけだと思うと聞くに聞けない。


「そのためにあんたをやとったんだから当然でしょ」


 ファンがあーだこーだ言っていたがこんな姿を見られたら永遠の恋も冷めてしまうだろうと思う。

 しかし、これでちゃんとアイドルなのだ。しっかりとオンオフ切り替えているのは昨日何度か見ている。


 戦いの合間に何度かファンとの交流するタイミングがあったのだけれど。もう別人と思うほどの豹変ぶりに関心してしまったほどだ。


「はあ。それで今日はどこへ向かうんですか」


 これ以上話をしていても時間の無駄だと判断して、そんなことより依頼をこなそうと話を切り出した。


「きょうはねダイナマイトボディのあのアイドルと対決よ」


 そう何故か鼻息荒く気合の入った表情で、夏希なつきはそう宣言した。


「そうか。それでチラリズムの話をしてきたのか。どうりで様子がおかしいと思ったのだ。天然アイドルに色気はいらないとこれまで力説していたのだからな」


 喜美子がなにかに納得したようにぶつぶつと呟いている。

 無理に聞く必要はないようなきがして、とりあえず歩き始めた夏希のあとに続いた。

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