天才詐欺師の駆け引きは、まるで尖ったナイフだ。
- ★★★ Excellent!!!
一人の詐欺師が、夜の匂いをまとったカジノのテーブルで静かに牙を研ぐ。
その男の名前はジャックポットのビル。
ジャックの仕掛ける心理戦が、自然とギャラリーをテーブルの空気へ引き込んでいく。
高級娼婦シルビア、殺し屋ロイ――、危険な香りを放つジャックとその仲間たちがカジノで狙う獲物とは?
三人が足を踏み入れたのは、ただの勝負じゃない。世界をひっくり返すほどの騒ぎの入口だ。
まだ導入に過ぎないが、ページの向こうではすでに火種が燻り始めている。
洒落た会話の裏に潜む緊迫感と、読めない展開。
物語を紡ぐジャックの洒脱な軽口はマティーニのように心地よく、裏社会を生きてきた男が持つ深みを漂わせる。
先が気になる作品だ。