第134話 摩訶般若波羅蜜その三 仏教は科学的である

 「般若波羅蜜十二枚、これ十二入にゅうなり。また十八枚の般若あり、眼耳鼻舌身意げんにびぜつしんい色声香味触法しきしょうこうみそくほう、および眼耳鼻舌身意識等なり」

 智慧の完成(般若波羅蜜)は十二の要素で成り立っている。これは人間の身心が受け入れるものとして十二あるということである。また十八の要素もある。眼耳鼻舌身意の6要素、色声香味触法の6要素、眼耳鼻舌身意識等の6要素、合わせて十八の要素である。

 仏教では眼耳鼻舌身意の六根、色声香味触法の六境、眼耳鼻舌身意識の六識というらしい。

 眼耳鼻舌身意は受容体ということなのだろうと思っている。眼、耳、鼻、舌、身体、心で人間は様々なものを把握する。身体というのは全身の神経と言ったらいいのかな。心というのは「なんとなく感じる」ということかと思う。

 その受容体で色や音や香りや味や触感そして現実の状態がわかる。

 そしてその結果、眼識、耳識、鼻識、舌識、身識、心での意識が発生する。

 ごく当たり前のことだけれど、重要なことだ。

 仏教は当たり前のこと、普通のこと、現実の細かな事実を大事にする。

 生きるということはこういうことを細かな事実の積み重ねだ。

 仏教は神秘的、超人的なものではない。普通の人が当たり前に生きていく方法を教えるものだ。

 だから現実に即して説いていく。

 その意味では非常に科学的、分析的なものだと思っている。

 仏教に神秘的な色合いを持たせようとする奴らは詐欺師ですから気をつけましょう。

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