第131話 現成公安その三十 統一教会に思うその三

 統一教会に限らず怪しげな宗教の衣を被った集団は、人の不安を煽るようなことをするものだ。「あなたはまだ不十分だ、未熟だ」「あなたの知らないことがまだまだたくさんある」などという。

 しかし、人間というものがいわゆる「完全体」になる筈がない。人間は真実・真理を得るために努力し続けるものだ。坐禅を毎日続けることで大宇宙の真実・真理と一体となった身心を維持し続けなければいけない。

 「自分はわかった」「自分は十分な力がある」などと思うことが致命的な錯覚、妄想なのだ。

 「身心に法いまだ参飽せざるには、法すでにたれりとおぼゆ。」

 「法もし身心に充足すれば、ひとかたはたらずとおぼゆるなり。」

 真実・真理が身心に行き渡っていないときは「自分は真実・真理が十分に得た」と思うものだということ。

 真実・真理が身心に行き渡れば「まだまだ足りないところがある」と思うものだということ。

 不十分と思うことは何ら問題はない。いや正常なのだ。

 今の世の中を見ると「法すでにたれりとおぼゆ」と思っている人間がやたらといますなあ。

 そして元気に無邪気に威張っていろんな言葉を撒き散らしてます。

 この異常さに気付かなきゃいけない。そのためには坐禅するしかない。

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