第88話 辦道話その七十七 信教の自由

 「国家こくけに真実の仏法弘通ぐづうすれば、諸仏諸天ひまなく衛護えいごするがゆゑに、王化太平おうかたいへいなり。聖化太平せいかたいへいなれば、仏法そのちからをうるものなり。

 又、釈尊の在世には、逆人ぎゃくにん邪見みちをえき。祖師の会下えかには、獦者樵翁りょうしゃしょうおうさとりをひらく。いはむやそのほかの人をや。ただ正師の教道をたづぬべし。」

 国に真実の仏法が行き渡れば、諸仏諸天が途切れることなく衛ることから国は平和である。平和な国であれば仏法はその力を発揮する。

 また、釈尊が生きておられた頃には重い罪を犯した人間、間違った考えを持った人間も仏道により真実・真理を得た。釈尊直系の祖師の方々のもとには猟師や樵も真実・真理を得た。その他の人間が真実・真理を得ることができないなどということがあろうか。ただひたすら正しい師の教えを尋ねることだ。

 安倍元首相殺害の事件で宗教教団が取り上げられている。日本は憲法で信教の自由が定められている。

 このことは正しいと思う。けれど一方で「これは宗教なのか?」と思うものがたくさんあるのも事実だ。人を救うのではなく、弱みに付け込んで金儲けしてるだけじゃないかと思うものが後を絶たない。

 とは言っても、どのような宗教を選ぼうがそれはその人の自由だ。その人の権利だ。ただ一つ、その教えは真実・真理を実現・実証することができるのかということが問題だ。その教えは日常生活を普通に送っている中で実践できなければならない。本当に人間を救いたいと願う団体が金銭など要求するだろうか。すべての人間を普通に救えないのならそれは宗教の名に値しないと思うのだが。

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