第39話 辦道話その二十八 何故殺すのか破壊するのか世界を汚すのか?

 「自覚覚他じかくかくた境界きょうがい、もとより証相しょうそうをそなへてかけたることなく、証則おこなはれておこたるときなからしむ。」

 坐禅することにより、自分自身のこの身心は真実・真理であることが身体全体でわかる、自覚する。そしてこの世界、大宇宙のありのままの姿、真実・真理の世界をはっきりと感じることができる。この状態、真実・真理の状態は何一つ欠けていることはなく、真実・真理が展開されて一瞬も滞ることはない。

 これが本来の大宇宙の状態だ。

 しかし人間は自分の脳味噌の妄想に憑りつかれ殺し、破壊し、暴力を振るい、虚言を吐き散らし、この世界を汚し続けている。

 そして今の人類はそれを止める術を持たない。ロシアに対しては武力の均衡、経済制裁しかできない。経済制裁は武力は直接使わないがロシアの国民の生活を圧迫して苦しめる攻撃だ。

 高校サッカー部の監督はとても尋常とは思えない言動を繰り返している。

 観光船の社長はおのれの責任についてわかっているとは到底思えない。

 刑罰を強化したとしても根っ子のところ、人間の根本が変わらない限り、殺戮と残酷なことは繰り返され、無くなることは絶対にない。

 人類の根本思想として、今の人類を救えるものはあるのか?

 私は坐禅して大宇宙の真実・真理、人間の本来の姿(本来の面目)に立ち戻る以外に方法は無いと信じている。これは揺るぐことはない。

 ただ、坐禅が広まるというのは今の状態では望みは限りなく薄い。

 最悪の事態、滅亡への道を早まらないことを今は祈るのみだ。

 何とか坐禅が広まらないかなあ。

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