サトウ先生のかさ

作者 aoiaoi

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★★★ Excellent!!!

 主人公の『ビニールかさ君』は、学校の傘立てに忘れられていた流れ傘。
 今まで軽んじられ乱暴に扱われ、何回も持ち主が変わって寂しい思いをしていました。
 そんなある日、学校を定年退職したサトウ先生と出会い、先生の家にやってくることができました。やっと『サトウ先生の傘』になれたと喜ぶかさ君でしたが、やりがいを見失って笑顔もめっきり減ってしまったサトウ先生とは、全然お出かけの機会がありません。
 かさ君はまたサトウ家の傘立てに置きっぱなしの日々。

 ようやく念願かなってサトウ先生と出かけることができたかさ君でしたが、心無い男性に勝手に連れ去られてしまいました!
 
 果たしてかさ君は無事サトウ先生と再会することができるのか?

 手足の無いかさ君は一人では動けません。でもサトウ先生の元へ戻れるように
一生懸命がんばります。
 そんなかさ君を助けてくれる存在もいて……
 世の中捨てたもんじゃないなと嬉しい気持ちになりました。

 子ども向けの作品なので、難しい漢字は使われていません。作者様のきめ細やかな心遣いが、隅々まで行き渡っている作品です。
 そして『ビニールかさ君』の気持ちがとても丁寧に語られて、胸が熱くなります。
 
 誰かの特別になるって、こんなに幸せなことなんだと気づかせてくれる物語。
 だから私も特別を見つけよう。そして大切にしたい。
 改めてそう思いました。

 皆様も是非、ほっこり気分を味わってみてください。

★★★ Excellent!!!

傘、大切にしていますか?
コンビ二の安いビニール傘だからと、どこかへ置きっぱなしにしたり、勝手に持ってきたりしていませんか?
これは、ある日そんなビニール傘くんに訪れた、大切な出逢いの物語。

もしも傘に心があったら。
誰かに大切にしてもらって、雨の日の素敵なパートナーにしてもらいたいと願っていたら。
想像するだけで、泣けてきちゃいます。
傘、ちゃんと大切にしなきゃ。

傘をお持ちのすべての方に、ぜひ読んでもらいたい。
冷たい雨の中でも心がぽかぽか温かくなる、素敵な短編です。

★★★ Excellent!!!

主人が、コロコロ入れ替わってきた傘。
誰からも、本当に必要とされていないような、そんな寂しさを抱いてきた。
でも、たった一人の持ち主に、大切にされることで幸せを感じるように。
まるで、それは人と同じ。
誰かに必要とされた時、生きている意味を感じるのでしょう。
爽やかな風が吹きぬけるようなストーリーでした。