70日目
その日、朝から生き物は家の荷物を片付けていた。
谷の底から出るという生き物の長年の夢がやっと叶う。
呑気に水を舐めている猫をひと撫でして、生き物はリュックに必要なものをボンボン大雑把に詰め込んだ。
応急薬、救急セット、寒かった時用のスカーフに、タオル、非常食、着火セット、水も……必要だろうか?
精査しているようで、していない生き物はドンドンカバンに詰め込んでいく。
そろそろ底が破れそうだ。
そんな目に見えてはしゃいでいる生き物を見て、猫は大きく欠伸を一つ零し、体を伸ばした。
膨らむ期待を抑えきれず尻尾と耳を揺らし、ステップを踏みながら生き物は、まだまだリュックに詰め込むことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます