26日目
生き物が遺物の本を見つけたのは、谷の底の奥、暗い暗い洞窟の中だった。
槍や斧、包丁などもここで手に入れたが、人の姿は全くなかった。
骨すら残っていなかった。
ただ、無造作に遺物が残されているだけだった。
これでは、以前の人間が何をしていたのかは生き物には想像が付かない。
しかし、人間は確かに存在していたのだ。
言語を読む勉強はしたが、発音できない生き物は、今日も目を本の文字に滑らせる。
人間が考える難解な話は苦手だが、この絵本と書かれているものは生き物は好きだった。
絵がたくさん描かれており、穏やかな話が多い。
そして、分かりやすい。
今日も絵本の世界に溺れる生き物の背中は丸まっていた。
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