三章時点人物・魔物いろいろ設定資料集
主な三章登場人物
・タマガキ
本作の主人公。十六歳。甘味が大好物。
打刀と脇差の二本を使い二刀流で戦う防人。第一章で初めて魔獣と戦って以降、その実力を大きく向上させた。その成長速度は他の防人が驚くほど。
二章後半で負傷した彼は、病床の身。その中で、第四踏破群群長かつ兄弟子である関永の要請を受け、過去を語った。
彼の始まりが、明らかになる。
戦闘技能
特殊霊技能 『五輪』
火輪、水輪、風輪、地輪の四つの能力を内包している能力。五つ目は明らかになっていない。
現在、風輪と地輪の使用率が高く、他の2つを上手く取り扱えていないようだ。
『風輪』━太刀風・春疾風・風纏
『地輪』━土塊
『水輪』━なし
『火輪』━なし
武装
打刀
脇差
剣聖から譲り受けた二振りの刀。打刀は元々彼の親友である伊織のもの。剣聖が彼らに二刀を渡す際、霊力でも無力でも、魔力でもない何かを使って、細工を施していた。
本作メインヒロイン。十八歳。今世西部最強の名を冠するタマガキ最強の防人。三章では幕間に登場した。
二章後半より魔物の侵攻を警戒し、カゼフキ砦に釘付けとなっていた。砦を中心に周辺に駐留する部隊の指揮を執り、防人であると同時に一人の指揮官として尽力している。
三章で、血脈同盟の戦いが決着するまで、その経過を報告されていなかったことが明らかになった。もしその報告を受けたら、激情にかられ砦を離れてしまうのではないかとアイリーンが危惧したため。
山名が血盟と交戦したのを聞き、強い懸念を示した。己が限りなく最強に近い存在であるにもかかわらず、なぜか強さを信仰する兵員たちの存在を疎んでいる。
玄一が目覚めたと聞いた時には、祝いの花束と手紙を送った。実は秋月にも、見舞いに果実を送っている。
戦闘技能
特殊霊技能 霊武装 月華
防人でも極小数しかその使い手がいない武器を具現化させる能力、霊武装の持ち主。重さを感じさせず、好きな時に生み出し、消すことが出来る。
『
月華が内包する霊技能の名は、『
相対する敵に合わせて月華がその大きさを変え、自身の能力が向上する。能力の向上に合わせて空を駆けるなどといった通常時では使えない技をいくつか扱い、それと同時に彼女の肩にかかる程度の黒髪が腰元まで伸びる。上限はまだ確認されておらず、敵が強くなるのに合わせて自分も強くなるため、作中理論上最強。
本作サブヒロイン。三十歳であるにもかかわらず、玄一に初対面で子供と思われるほど背が低く、容姿が幼い。髪型はツインテール。霊力の影響から秋の紅葉のようなグラデーションの掛かった髪色をしている。
山名、甚内、関永とともに、病室にて玄一の過去を聞いた。その話にのめり込みすぎてオーバーリアクションを連発し、少し関永に引かれる。途中、彼の話やその仕草に何か絶対に違うと否定したくなるものを見出し、号泣。玄一を慰めようと躍起になり、そして空回りした。最後に、玄一に話をしたいと伝え、病室を出る。
後日、見舞いの際には、なんとなくで読んでどハマりした恋愛小説の影響を強く受け、夏であるにもかかわらず竜胆の花の刺繍が入ったマフラーを玄一に送った。勢いで作ったためそのシチュエーションに想起されてしまうある物に渡した後気づき、挙動不審になる。家を見舞いに送ろうとした点といい、どこかずれている部分があるようだ。
戦闘技能
特殊霊技能
『
主に人差し指から強化された紅色の霊弾を放つ能力。弾丸を発射した後操作したり、霊力を充填することによって威力を向上させたりと、変幻自在。
また、感応式霊砲台という敵の動きに合わせて自律射撃を行う球体を展開することができる。示指ノ霊砲と銘打ってはいるが、だいたいどこからでも霊弾を展開できるようだ。
三代目山名
タマガキの郷の郷長。五十代。今は先代の郷長から襲名した山名を名乗っているが、その正体は二十年前の大戦の折大活躍したサキモリ五英傑のうちの一人。現在は、右腕と右目を失い、引退している。
二十年前の大戦における一番槍の功績からその二つ名は、
病室にて、玄一の過去を聞く。歴戦の防人であり、他のサキモリ五英傑のことを知る彼には、関永や秋月が気づかなかった何かに気が付いたようだ。加え、それが意味することに対し憤慨し、玄一に言葉を残した後、ある場所へ向かった。
その後、参謀の輝明を帝都に派遣することを決定し、一ヶ月後に再び魔物との戦いを始めることを決意した。
戦闘技能
特殊霊技能
左腕 『桜花』
右腕 『???』
空間を跳躍する能力。間の事象を無視して転移するため、如何なる障害があろうとも転移する。霊力効率が非常に良く、使用制限はほぼ無い。
左腕に霊力を集め、振るうことによって発動。彼の左腕には桜吹雪の文様が浮かび、元々自分がいた場所には桜吹雪が舞う。その姿は西の象徴でもあり、実際に特務隊の徽章のモデルは桜吹雪に囲まれる彼の左腕。
アイリーン
タマガキの防人の1人。年齢は秘密。
底抜けに明るいムードメーカー。語尾が特徴的。決して頭が良いわけではないが、人の機微を察するのに長けている。
三章では、御月と同じようにカゼフキ砦に配備された。御月を助け、砦の潤滑油として機能。血脈同盟との戦いについて御月より先に報告された彼女が、独断でそれを止めた。
その後、事の顛末を聞かされ、玄一と秋月の怪我、タマガキを思う御月の不安を取り除こうと、玄一が目覚めたという朗報を携え、酒を持ち込む。御月の話を聞いている時一番重要なその知らせを伝え忘れ、怒り狂った御月に禁酒を言い渡された。
戦闘技能
特殊霊技能
『
巨大な魔獣をも超える身の丈を持つ黄金の熊に変化する能力。二章途中にて人型の状態のまま能力を行使している姿を確認されている。
タマガキの防人の1人。本人はまだまだ若いと思っているが既におっさん。実は防人になってから長い精鋭。格好つけようと毎度毎度らしい動きをするのだが、必ず失敗する。
病室にて、秋月たちとともに玄一の話を聞く。その際強い反応を見せることはなかったが、西の暗部にいた、とされている彼もまた、山名と同じように何かを知っている。
戦闘技能
特殊霊技能 『五忍』
自らの分身を五体まで生み出すことができる能力。意識を共有することが可能で、非常に便利。しかしながらその霊力を増幅したりするわけでもなく、その上いくつか制約があるそうだ。
タマガキの若くない方の参謀。思考は固まっているように見えて、譲れない信念がある。
三年前の大侵攻により失った土地を奪え返す西部反攻論に対し消極的。郷長の方針に難色を示した。本人の預かり知らぬところで帝都への出張が決まる。その決定に甚内が難色を示すほどに、彼は優れているようだ。
・帝都
内地の精鋭部隊、踏破群の群長の一人。男らしい性格をしており、背は高く、黒髪。前髪は除けられており、額が見えている。
第四踏破群 勇士の結晶学を率いる若き群長。その戦闘技能、指揮能力は卓越しており、その強さは踏破群実働部隊の中でも上から数えた方が早い。
犬神が玄一を見て、剣聖について言及したことから、彼に過去を語るように伝えた。シラアシゲに同じく所属していた時の氏神の行方を、探っているようだ。
戦闘技能
特殊霊技能
『
大地由来の素材を結晶に変換する能力。その霊力の量によって、結晶の質が変わる。
この能力を使用し、玄一に黒い鉢金を作った。
・シラアシゲ
新免玄一(十三歳)
本作主人公。親友である伊織とともに、最強になるという不遜な夢を抱く少年。模擬戦を彼とともに繰り返していたものの、戦闘能力は三章開始時点ではほぼなかった。
目の前で彼の近親者を含めた多くの人間が死んだ。それでも心は折れず、伊織の策により特殊霊技能を発現。その効果により防人ほどとはいかぬものの、力を手にする。伊織と合流した剣聖とともに決死行に移り、西の友軍の元まで撤退することを目指した。
数多の戦いをくぐり抜けたものの旅の最後、待ち伏せに遭い友軍と合流することは叶わず、一人逸れた。ぼんやりとした意識で森を彷徨い、その期間の記憶を失った。二年の時を経て、サキモリ五英傑である識君が彼を発見し、彼の弟子となる。一年の修行期間を経て、彼は防人となった。
戦闘技能
特殊霊技能 『五輪』
『火輪』━烈火
能力に目覚めた彼が唯一使えたのは、炎を操る火輪。ただの少年だった彼を防人である伊織、人類最強と呼ばれた剣聖の戦いに付いていけるようにしたのは、この能力のおかげ。火を操り戦うことだけでなく、身体能力を上昇させることもできるようだ。
伊織
玄一の親友。相棒。幼馴染。十三歳という若さにしてシラアシゲの防人となり、その将来を嘱望された稀代の鬼才。そのことを隠し、玄一とともに時を過ごしていた。
黒髪黒目。成長しきっておらず幼いが、大きくなっていたら男前になっていたんじゃないかというのが、玄一の見立て。
第二次西部魔獣侵攻に際し、前線の戦闘に参加。その後民衆の避難を援護するという建前で、玄一の姿を探す。無事玄一を見つけた彼は、父である剣城の助言を受けて、剣聖を探し敵地へ前進。その結果剣聖を見つけ出し、彼らとともに東を目指した。
旅の果てに、剣聖と剣を交えた謎の人型魔獣らと交戦。攻撃に気づかぬ玄一を守ろうと盾になり、重傷を負った。別れの言葉を告げた後、川の流れに崖から落ちる。行方不明。
戦闘技能
戦略級魔獣に対し単独での交戦が可能なほど。その実力は、今世西部最強となった御月と並べられるほど。
特殊霊技能 『不明』
防人と同等ないしはそれ以上の実力を備えているにもかかわらず特霊技能がない。彼を防人と認定したマキナ曰く、まだ発現していないか既に発現していて気づかないかのどちらかなようだ。
皐月
玄一と伊織の幼馴染で、長い付き合い。わんぱくガール。明るい性格で、過去にゴブリンに遭遇した経験から、特殊霊技能を発現させている。
第二次西部大侵攻の際には玄一らとともに避難。しかしその道中防衛戦を突破した魔物の群れに襲われ、命を落とした。
戦闘技能
特殊霊技能 名称なし
脚部に高濃度の霊力を纏わせる能力。
剣聖
サキモリ五英傑の一人。人類最強の呼び声高く、五英傑の中で最も有名。その名を聞いた事のないものはいないほど。
背は非常に高い。翡翠色の瞳を持つ、美男子。腰元に届くのではないかというほどに長い白髪を持っている。
第二次西部魔獣大侵攻に際し、第一次戦と同じように、敵の指揮官目掛けて時の氏神ら精鋭を携え突撃し、その撃破を目指した。しかしこれに失敗。壊滅したシラアシゲ兵員の中一人生き残り伊織と玄一に合流する。その後は彼らとともに東への脱出を試みた。
魔物との交戦を繰り返しタマガキの郷の領域に近づいた際、待ち伏せに遭遇した。その結果伊織を失い玄一を逃した彼は、一人戦いへと戻った。
戦闘技能
特殊霊技能『不明』
防人となり成長した玄一曰く、あまりにも強すぎて何が起こっているのかわからない。白亜の斬撃を何もない宙から生み出し、刀も抜かずに魔獣を殺戮する。
鯉口を切るのみで敵を撃破し続けた彼だったが、空想級魔獣上位『白澤』と交戦したのをきっかけに抜刀。白澤を難なく撃破し、決死行の終わりには、他にも技を使用した。
武装
『白雲』
刃文を持たない、彼の色に似た真っ白な刀身を持つ、野太刀。
時の氏神
サキモリ五英傑の一人。シラアシゲの郷に所属し、同じくシラアシゲに籍を置く剣聖の側にあり。彼を助け続けた。
肩にかからぬほど短い髪。金髪に近い白髪。可愛らしい顔つきをしていて桃色の瞳が目立つが、その容姿とは対照的に、鋼鉄の右腕。鋼鉄の左足。体の半分以上が鉄でできた、機械のような防人。
剣聖らとともに、第二次西部大侵攻の際、敵の指揮官目掛け突貫。それに失敗した後は、剣聖とは別行動を取る。玄一たちの旅の途中、彼らが彼女の痕跡と思われるものを何回か発見したが、結局最後まで、彼女が彼らとともに肩を並べて戦うことはなかった。
戦闘技能
特殊霊技能『不明』
特殊霊技能は不明。しかしながら戦いの跡から推察される彼女の戦闘能力は、剣聖と並び立つほど。その白金色の霊力が場に残るだけで、魔獣を含めた魔物が一切その場に近寄らなくなったほど、強い。
武装
左腕に生えたフックのようなものに、機械的な見た目を剣が取り付けられている。
玄一の母親
幸薄い顔つきをした、妙齢の女性。穏やかな性格で、養子である玄一の母親として彼に愛情を注いだ。
玄一が父親と同じく戦士になろうとしていることを簡単に見抜いた。彼の意思を尊重した上で、彼に言葉を残した。
第二次西部魔獣大侵攻の際には、玄一らとともに避難。道中、魔物の襲撃を受けからがら逃げだすも、空想級魔獣”骨喰”の追撃を受け、死亡。
玄一の父親
シラアシゲの兵員として生計を立てている。玄一に木刀を与え、手ほどきをした。代々シラアシゲや西部で兵員を排出した新免家の末裔。
剣城
シラアシゲ郷長。同じく郷長である山名とは違い現役の防人。刀を腰に佩いた姿が特徴的。
精鋭中の精鋭のみが集うシラアシゲの兵員を束ねることのできる、リーダーシップを持っている。息子に鬼才と呼ばれた伊織を持ち、彼の成長を喜んでいる。
第二次西部魔獣大侵攻の際には時の氏神の指摘で、後方の避難民を護衛する任につく。決死の思いでシラアシゲの民を守ろうと足掻いたが、多勢に無勢。最後には空想級魔獣の襲撃に遭い、伊織を守ろうと犠牲になった。
戦闘技能
特殊霊技能『???』
篤
シラアシゲの防人の一人。二十代と若いものの、上位魔獣と単独での交戦が可能なほど実力が高い。
第二次西部魔獣大侵攻の前哨戦として、兵員を連れて最前線を偵察。その際魔獣の群れによる襲撃を受け部隊が壊滅。本人も負傷し、会戦の際には剣城とともに後方に務めた。
撤退戦にて、空想級魔獣”骨喰”と交戦。万全の状態ならまだしも、力及ばず、戦死。
戦闘技能
特殊霊技能『???』
三章時点までの魔物一覧
魔物・魔獣について
人類に仇なす敵。その多様性から強さによる等級で分けられている。
空想級
”白澤”
”
”骨喰”
幻想級
”名無し”(蠢く腕の集合体)
”
”
”
”
戦略級
”
”
”
”
”落ち葉なき巨人”
”四目梟”
”爪土竜”
戦術級
”オーガ”
”ワイバーン”
”黒妖犬”
”斑駒”
無冠級
”オーク”
”ゴブリン”
”インプ”
”牙豚”
”猫鷲”
これら五等級の分類は単体での戦闘能力を評価したものである。戦略級以上の魔物のことを魔獣と呼称し、防人の必要性が認められた魔物がこれらに分類される。この五等級の中にも上位下位の細かい分類があり、例えばゴブリンは無冠級下位。オークは無冠級上位である。それぞれの魔物の等級を決定するのは帝都に本部を置く、魔物学会であるが、新種の魔物が確認された際は現場の判断で推定等級を定めることが推奨されている。また新種の魔物の名称は発見者が命名するか学会が決めることになっている。
また、大きい魔獣ほど強そうに見えるが、実際はその逆。小さな魔獣ほど、その強力な魔力を高濃度で体内に溜め込んでいるという証であり、その証左として、空想級魔獣”千手雪女”の本体は人間と同じサイズ。
舞台設定
シラアシゲの兵員について
ヒノモト歴代最強と呼び声高い最精鋭の集団。剣聖、時の氏神の両雄を中心に上位魔獣すら恐れない。防人は皆上位魔獣との単独戦闘が可能で、兵員は踏破群隊員とはいかぬものの皆戦術級を相手にできる実力を持つ。個々の能力だけでなく、その連携は神業の域。
一説によれば第二次西部魔獣大侵攻において魔物の群れの三割を撃破したとされており、もし彼らの存在がなければ、帝都まで魔獣の群れが到達していたという試算が出ている。
剣の果てについて
剣聖が到達したとされる、至高の領域。それは多くの人を惑わし、今だに強い影響を持つ。反政府組織 剣空会の目的とされている。
タマガキについて
第二次西部魔獣大侵攻の際、サキモリ五英傑である魁の山名の元、防衛戦を指示。彼が率いる特務隊であれば救援が可能であった指摘されているが、彼はタマガキを離れなかった。
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