二章時点人物・魔物いろいろ設定資料集
主な二章登場人物
・タマガキ
本作の主人公。十六歳。甘味が大好物。
打刀と脇差の二本を使い二刀流で戦う防人。第一章で初めて魔獣と戦って以降、その実力を大きく向上させた。その成長速度は他の防人が驚くほど。
仇桜作戦の際、自らの失敗で参謀である奉考を亡くした。空想級魔獣と交戦する御月を見て彼女と同じ領域に辿り着くことを誓う。しかしながらそれと同時に本当にこの領域まで辿り着けるのだろうかという疑問を抱いた。
そこで行き詰まり悩んでいた所を兄弟子である関永に救われた。そのことから、関永に強い尊敬の念を抱いている。また、二章で登場した秋月に対しても尊敬の念を抱いているようだ。かなり素直。
仇桜作戦が中止となり、タマガキに帰投した後の血脈同盟との戦いに際して、彼らの思想や行動に対し強い反感を覚える。それは、躊躇いもなくその刀で彼らを斬り裂き殺すほど。
しかしながら彼は他者に対し対話しようという意思が強く、本来会話すべきではない敵である血盟とも言葉を交わそうとしていた。
二章後半にて、第陸血盟 犬神の攻撃をもろに食らい、死にかけの状態になるが、医者がドン引きするほどの回復力を見せつけ、復活する。
犬神が玄一のことを
戦闘技能
特殊霊技能 『五輪』
火輪、水輪、風輪、地輪の四つの能力を内包している能力。五つ目は明らかになっていない。
現在、風輪と地輪の使用率が高く、他の2つを上手く取り扱えていないようだ。
『風輪』━太刀風・春疾風・風纏
『地輪』━土塊
『水輪』━なし
『火輪』━なし
また、関永曰く、地輪には相手の霊力を減衰させる効果があるとのこと。風輪や他の能力にも、そのようなものがあるのかもしれない。
彼自身の戦闘技能に関して、アドバイスを求められた関永は、玄一の剣技はほぼ完成されていると述べた。それと同じように交戦した第拾壱血盟からもその若さからは考えられぬ実力と賞賛されている。
武装
打刀
脇差
空想級魔獣と交戦した際、刀が折れるのを覚悟するも折れなかった。また、踏破群群長である関永の最高硬度の結晶を切り裂いた第拾血盟の攻撃を、受け止めている。
本作メインヒロイン。十八歳。今世西部最強の名を冠するタマガキ最強の防人。主に2章前半に登場した。新発見の魔獣に対するネーミングセンスが絶望的。
仇桜作戦が発動された際、玄一と共に先鋒を務めた。その際の連携は、まるで長い時を共にしたかのように光るものがある。
2章前半にて空想級魔獣”
血脈同盟がタマガキに現れた際、彼らと戦ったことがあると示唆し、前線を離れることができず、血脈同盟に対して何もできぬ自分に対し焦燥感を抱いていた。
二つ名である大太刀姫と共にその武名は全国に轟いており、第陸血盟が御月のことを強く警戒していたようだ。
戦闘技能
特殊霊技能 霊武装 月華
防人でも極小数しかその使い手がいない武器を具現化させる能力、霊武装の持ち主。重さを感じさせず、好きな時に生み出し、消すことが出来る。
『
月華が内包する霊技能の名は、『
相対する敵に合わせて月華がその大きさを変え、自身の能力が向上する。能力の向上に合わせて空を駆けるなどといった通常時では使えない技をいくつか扱い、それと同時に彼女の肩にかかる程度の黒髪が腰元まで伸びる。上限はまだ確認されておらず、敵が強くなるのに合わせて自分も強くなるため、作中理論上最強。
その上、空想級魔獣と交戦した後の発言を踏まえると、御月はまだ本気を出したわけでは無さそうだ。その一例として、月華を地に突き刺した時、”千手雪女”によって支配された雪の領域から砂塵の領域へと成り代わるのを玄一は目撃している。
彼女の技量と合わせても、隙のない強力な霊技能であるが、弱点も存在するようだ。
二章初登場のタマガキ所属の防人。本作サブヒロイン。三十代であるにもかかわらず、玄一に初対面で子供と思われるほど背が低く、容姿が幼い。髪型はツインテール。霊力の影響から秋の紅葉のようなグラデーションの掛かった髪色をしている。口癖はこのバカ。
仲間から子供扱いされるとを不満に思っており、それを自らの容姿が原因と思っているようだが実際はその性格から子供扱いされ可愛がられていると気づいていない。お寿司が大好物だがワサビダメ絶対。サビ抜きで。
このことから初対面の主人公に対し尊敬の念を抱かせるため素っ気なく振る舞った。なおすぐさま氷解した模様。
そのような性格の彼女ではあるが、ところどころ大人らしい包容力を見せつけている。人が良く、それに加えて後天的には獲得できない謎の風格を持っていた。
元特務隊隊員の防人。防人としての実力でいえば、中の上程度。しかしながらその後方支援能力は神懸かったものがあり、皆から実力を認められている。
犬神に玄一が死にかけの状態に追い込まれた時、彼を守ることの出来なかった自分を責め、ブチ切れた。
戦闘技能
特殊霊技能
『
主に人差し指から強化された紅色の霊弾を放つ能力。弾丸を発射した後操作したり、霊力を充填することによって威力を向上させたりと、変幻自在。
また、感応式霊砲台という敵の動きに合わせて自律射撃を行う球体を展開することができる。示指ノ霊砲と銘打ってはいるが、だいたいどこからでも霊弾を展開できるようだ。
三代目山名
タマガキの郷の郷長。五十代。今は先代の郷長から襲名した山名を名乗っているが、その正体は二十年前の大戦の折大活躍したサキモリ五英傑のうちの一人。現在は、右腕と右目を失い、引退している。
二十年前の大戦における一番槍の功績からその二つ名は、
タマガキの郷の郷長であるのと同時に、西部の総指揮を執る戦諸侯の権限を帝から与えられている。
空想級の出現。血脈同盟の襲撃。如何なる災難が振りかかろうとも、彼に動揺は無かった。西の大黒柱としての役割を果たしている。
二章後半にて関永から受け取っていた義腕を装着し一時戦線復帰。一瞬の戦いであったが、英傑たる所以を見せつけた。しかしながら能力の使用後は血を吐き、全盛期とは程遠いことがわかる。
戦闘技能
特殊霊技能
左腕 『桜花』
右腕 『???』
空間を跳躍する能力。間の事象を無視して転移するため、如何なる障害があろうとも転移する。霊力効率が非常に良く、使用制限はほぼ無い。
左腕に霊力を集め、振るうことによって発動。彼の左腕には桜吹雪の文様が浮かび、元々自分がいた場所には桜吹雪が舞う。その姿は西の象徴でもあり、実際に特務隊の徽章のモデルは桜吹雪に囲まれる彼の左腕。
失われた右腕の能力は現在明らかになっていないが、代わりに装着した義肢を使用し、鎌鼬を一撃で沈め、犬神を完全に押さえつけた。霊技能とは別に戦闘経験が豊富にあるため、彼に駆け引きを挑むのは至難の技であろう。
右腕に関してただ一つ確かなこととして、もし彼の右腕が健在であればタマガキに現れた血盟は全員死んでいる。
アイリーン
タマガキの防人の1人。年齢は秘密。
底抜けに明るいムードメーカー。語尾が特徴的。決して頭が良いわけではないが、人の機微を察するのに長けている。
仇桜作戦では後詰の主力に配備され、ほぼ魔獣と交戦しなかった。
二章ではあまり登場しなかったが、彼女のバカ食いのせいで迷惑を被った防人がいた模様。それに加えて、落ち込む御月を励ますのを建前に酒宴を行なった。
戦闘技能
特殊霊技能
『
巨大な魔獣をも超える身の丈を持つ黄金の熊に変化する能力。二章途中にて人型の状態のまま能力を行使している姿を確認されている。
タマガキの防人の1人。本人はまだまだ若いと思っているが既におっさん。実は防人になってから長い精鋭。格好つけようと毎度毎度らしい動きをするのだが、必ず失敗する。
一章の時と変わらず余計なことを言い、秋月にしばかれた。その様子を見て察するに同年代故の連帯感が彼らの間にあるようだ。
タマガキ近郊に潜伏する血盟を捜索した際、第四踏破群と全く同じタイミングで第玖血盟の住処を発見。これを報告した。
タマガキの戦いの際、甚内の姿を見たものがいなかったが、第陸血盟 犬神と交戦していたことが発覚。元々西の暗部と呼ばれていた部隊の所属であったことが犬神によって明かされた。加えて、圧倒的格上である犬神を長時間食い止めた。
血盟曰く、霊力は弱いくせに圧倒的強者である第陸血盟から時間を稼いだ意味のわからないやつ。疑問を抱きつつも、その実力を高く評価していた。
戦闘技能
彼曰く、防人の戦い方を知らないとのこと。これは、彼自身が魔獣戦を行えるほどの火力を持たず、ありとあらゆる手段を利用しての対人戦が得意なことから、出た言葉であると思われる。
特殊霊技能 『五忍』
自らの分身を五体まで生み出すことができる能力。意識を共有することが可能で、非常に便利。しかしながらその霊力を増幅したりするわけでもなく、その上いくつか制約があるそうだ。
この能力を使用した際、犬神にこけおどしと看破されるが、まるで以心伝心が如き連携を見せつけ、時間を稼いだ。
タマガキの若き参謀。思考が柔軟で、博識。
部隊を二つに分け進撃し魔物を囲い込んで殲滅する仇桜作戦を、防人の幸村と共に提唱した。山名がこれを採用したのち、彼自身が前線に赴き特務隊を指揮することを決心。本隊の道を切り開くことを目的として、玄一と御月と共に先鋒に参加。幻想級魔獣を撃破し、魔物に奪取されていたカゼフキ砦の制圧を御月に任せ、周辺地域の哨戒を玄一、特務隊と共に行なった。その際、空想級魔獣”千手雪女”に遭遇。特務隊の大半を即座に撤退させつつも、その苦境を切り開くために玄一に時を稼ぐよう激励する。その際撤退し遅れたのが原因からだろうか、防人の玄一によってその生首を確認され、戦死となった。
彼の遺品整理がタマガキで行われた際、彼の残した書物を玄一が引き取る。その中には血脈同盟に関する書物もあり、玄一に対して多大なる影響を与えた。
タマガキの若くない方の参謀。思考は固まっているように見えて、譲れない信念がある。
三年前の大侵攻により失った土地を奪え返す西部反攻論に対し消極的。郷長の方針に難色を示し、内地から訪れた第四踏破群監督者の参謀、成瀬との関係が示唆されたが、彼の持つ似て非なる思想に嫌気がさし、縁を切った。
閑話と作中の会話の中で少しだけ登場。仇桜作戦を考案する際、それを奉考に相談。その草案を二人でまとめ上げ、提唱した。その作戦中、南部別働隊の指揮を任されていた。
タマガキの防人の中でも最年長。また、その武名は轟いており、帝都の防人が西の防人の名あげる際、大抵の場合山名、御月、そして幸村の三名になるという。
戦闘技能
特殊霊技能
詳細不明。
・帝都
後述する内地の精鋭部隊、踏破群の群長の一人。男らしい性格をしており、背は高く、黒髪。前髪は除けられており、額が見えている。
第四踏破群 勇士の結晶学を率いる若き群長。その戦闘技能、指揮能力は卓越しており、その強さは踏破群実働部隊の中でも上から数えた方が早い。
帝都で連続殺人事件を起こしていた血盟を追い、西部へ逃げ込んだ第玖血盟を追ってタマガキを訪れた。その際、自らの弟弟子である玄一と出会い、同じ地獄のような訓練を耐え切った同胞、兄弟子として、彼に惜しみなく自らの知識を教え込む。その結果玄一からは兄さんと呼ばれ、尊敬されていた。
第玖血盟と交戦した際は、彼女の自慢の眷属を全て鏖殺し、その圧倒的なまでの武勇を見せつけた。
その強さの証明として、第陸血盟が彼のことを山名を除く最も厄介な存在として認識している。
戦闘技能
特殊霊技能
『
大地由来の素材を結晶に変換する能力。その霊力の量によって、結晶の質が変わる。
第四踏破群の制式装備は、全て彼の手製。並みの魔獣の攻撃では砕けず、ビクともしない。
結晶を敵に射出したり、槍を生み出したりと変幻自在。後述する外向型の象徴とも言える。
ガチガチの防御を固めたまま魔獣をも鏖殺する全体攻撃を連発してくるとかいうなかなかに鬼畜な存在であり、それを止めようと彼に挑めば、斧槍の餌食となる。
この能力名から意識しているのであろうか、自らが勇者であることにこだわっているようだ。
第四踏破群の監督者として内地より派遣された参謀。輝明との関係が示唆され、西部を快く思っていないようだ。現帝をある理由から支持しておらず、またその邪魔となる西部を弱らせたいと思っている。
内心血盟が山名を殺してしまえとすら思っていたが、結局最後まで動きを見せなかった。
成瀬の専属護衛として派遣された防人。大海原のような青髪の目立つ背が高い女性。
アイリーンにより防人はバカ食いするというイメージがタマガキ下町に定着しており、飯屋全員から甘味を食べている際押し売りをされ、生真面目なその性格から断りきれず全て購入した。その様子を見ていた玄一と共に露店飯を処理。その際、思いをこぼす。
また、輝明が彼女を動かすよう成瀬に説得をした際、その言葉を聞いて大きく動揺した。しがらみに囚われ、人を救うために動くこともできない自分を責めた。しかしながら結局、山名の活躍により彼女がその背に吊るした槍をとることはなかった。
戦闘技能
特殊霊技能
詳細不明。しかしながら、第陸血盟に警戒されるほどの実力者である。
・血脈同盟
第
タマガキ襲撃作戦の総指揮を執った血盟。狩衣と呼ばれる服をきた灰色の犬の姿をしている。
その強さは、玄一が空想級魔獣より強いかもと述べるほど。彼自身は有能であると言えるのだが、部下である他の血盟の失敗が祟り、結果第四踏破群が西部に派遣された。その上これまた部下のしくじりにより、明確な計画もないままタマガキ側と開戦。
分身を三体展開した甚内を倒し、仮にも第拾壱血盟を撃破した玄一を瞬殺。秋月を手加減しながらもボコボコにし、関永と対面して初めて戦闘する態勢を見せるも、山名にボコボコにされた。
そこから本当の戦闘を始めようとした際、第壱血盟の指示によって撤退。山名と白牙の殺害を誓う。
戦闘技能
特殊霊技能
詳細不明。大狼に化ける能力と推測。アイリーンのものと似ている。
第
紫色の瞳が目立つ、ショートカットの少女。これまでにとても言葉で言い表せないほどの残虐行為を繰り返しているにもかかわらず、邪気が無い。その上、非常に子供っぽく、すぐに泣いてしまう。
意気揚々と第四踏破群と交戦するも、関永一人にボコボコにされ死を覚悟。そこを第拾血盟に救われた。その後、関永の追撃を振り切りタマガキへ侵入。秋月率いる防戦隊と交戦した。
戦闘技能
特殊霊技能
詳細不明。
その能力は凶悪無比。死亡した生物を操り、眷属とする能力。まだまだ不明な点も多いこの能力ではあるが、魔獣を従えてしまうほど強力なものだった。屍姫は眷属のことをみんな、と親しんで呼んでいるようだ。
第
イタチのお面をつけた十番目の血盟。大鎌という珍しい武器を扱っている。
タマガキの戦いの際には、第四踏破群と交戦していた屍姫を援護。関永の最高硬度の結晶をその大鎌で全て切り裂いた。
無骨な性格である彼ではあるが、誰かを痛めつけたりするのをあまり好まない様子。
戦闘技能
特殊霊技能
詳細不明。関永の見立てでは、大鎌の刃の部分を使い、ありとあらゆるものを切り裂く能力。しかしそれでは玄一の刀が斬れなかった理由がわからない。
第拾壱血盟 青頭巾
青色の頭巾を被った、中年の男。格闘技を修めており、タマガキの戦いの際には玄一と打ち合った。
帝都やタマガキで行われていた猟奇殺人は全て彼の仕業。後述する霊技能と血脈同盟の掲げる思想から、穢れた血と彼らが呼ぶ人間を食らう。その際、単調では飽きるとして”調理”と呼ばれる行為をした。その凄惨さは、防人が魔獣よりもひどいと説明するほど。
玄一と交戦した際、優勢を保持するも、彼の仕掛けによってその優位を一気に崩され、身動きの取れぬ宙へ逃げるという悪手を犯す。そこで首を真っ二つに断たれ、死亡した。
戦闘技能
特殊霊技能
死亡により開示。能力名 『悪食』。
口に含みことのできるものを全て、食い溶かし自らの霊力に変換する能力。また、口の大きさが常人の数倍以上あり、物の怪とまで形容された。
この霊技能に対応できぬ遠距離攻撃などないと確信していた彼は、玄一に水分を少しだけ含んだ土槍をぶち込まれた際その飲み込みづらさから大きく混乱し、判断を誤って結果それが死に繋がった。
遠距離攻撃を得意とする防人や魔獣に対し圧倒的なまでの相性の良さを持っており、その例としてもし秋月が交戦したら十中八九彼女が敗北する。
第八踏破群副長の言葉を借りてみれば、霊能力者同士の戦いは相性によって一瞬で決することがあるとのこと。青頭巾は、それを体現するような能力者だった。
二章時点までの魔物一覧
魔物・魔獣について
人類に仇なす敵。その多様性から強さによる等級で分けられている。
空想級
”
幻想級
”名無し”(蠢く腕の集合体)
”
”
”
”
戦略級
”
”
”
”
戦術級
”オーガ”
”ワイバーン”
無冠級
”オーク”
”ゴブリン”
”インプ”
これら五等級の分類は単体での戦闘能力を評価したものである。戦略級以上の魔物のことを魔獣と呼称し、防人の必要性が認められた魔物がこれらに分類される。この五等級の中にも上位下位の細かい分類があり、例えばゴブリンは無冠級下位。オークは無冠級上位である。それぞれの魔物の等級を決定するのは帝都に本部を置く、魔物学会であるが、新種の魔物が確認された際は現場の判断で推定等級を定めることが推奨されている。また新種の魔物の名称は発見者が命名するか学会が決めることになっている。
また、大きい魔獣ほど強そうに見えるが、実際はその逆。小さな魔獣ほど、その強力な魔力を高濃度で体内に溜め込んでいるという証であり、その証左として、空想級魔獣”千手雪女”の本体は人間と同じサイズ。
舞台設定
霊力・魔力・無力について
生物の身体能力を大きく向上し、可能性を広げた物質。人間が取り扱うものを霊力といい、魔物が取り扱うものを魔力と呼称する。また、それぞれは反発し合う。
その中間として、どちらにも属さず、大気に存在する物質、無力というものが存在し、それを自分の霊力・魔力で塗り替えることによって一時的に己がものとすることができる。
また、伝説に近い第四の力が存在する。
霊技能について
霊技能とは、霊力を使用し、兵士が取り扱う技能のこと。魔物が突如として現れた時、人類は霊力さえ持たなかったが、ある天才によって技術が出来上がった。
一般的に身体強化や霊弾といった能力が技術として存在し、そこから逸脱した自分だけの霊技能を特殊霊技能と呼称する。防人になるためには、この特殊霊技能が必須とされる。また、時が流れると共に特殊霊技能から霊技能に格を落とした技能も存在する。
特殊霊技能について
いわゆるユニークスキル。前述した防人たちがそれぞれ持ち、強力無比。しかしながら防人になるためだけに、ほぼ差異がないというのにオリジナルと言い張って申請する奴が後を立たず、いわゆる残念な能力、と言えるものの方が多い。
これらの霊技能の分類に際して、外向型と内向型に分けることが可能。端的に言えば、内向型が自分の霊力のみでその霊能力が完結している能力で、外向型は無力を必要とする能力のこと。外向型は場の無力を戦闘時必要とするため、格上の外向型霊能力者と交戦した際全ての無力を奪われ、絶対勝てない。そのために、場の無力を支配する技術というものが求められている。また、相手の無力掌握を妨げる技術もあり、駆け引きが発生する。
二章登場キャラクター分類
外向型&内向型
玄一
御月
外向型
関永
内向型
山名
秋月
アイリーン
甚内
犬神
屍姫
鎌鼬
防人について
百五十年前、霊技能を獲得した人類であったが一歩上の領域にいる魔獣に対する有効打を持たなかった。そんな状況下で、いわゆる特殊霊技能を携えた一人の男が初めて人類に現れ、その者が海岸部の出身であったことから、特殊霊技能を使える人間を防人と呼ぶようになった。
本来の近代戦の勝利を決定づけるのは国家の経済力と生産力であったが、霊力などといった特殊物質が存在するこの世界では、戦争において人的資源が最も重要なファクタ−となっている。
土地の特色として、西部には強力な特殊霊技能を持つ防人の割合が多く、霊技能に慣れた兵士たちがいるが絶対的数が少ない。対し帝都は強力な特殊霊技能を持つ防人が少なく、兵士の練度が西ほど高くはないが、数が多い。東部はその中間。西部と帝都、お互いがお互いを羨んでいる。
また、防人と一言に言っても、幻想級魔獣と戦えるような防人は、二割ほどしか存在しない。空想級ともなれば、ごくごく一握りである。
帝都━ヒノモト政府・立憲君主制
帝の住む帝居および政府が設置されている国の心臓部。後述する十二の踏破群の内、常に半数以上が駐留し、西部の十倍以上の兵力を抱えている。帝が主権を持つため政府の権限は少なく、御前会議と呼ばれるものの方の権限が大きい。現帝が女性であるため、それを不満に思うものも多く、水面下で政争が繰り広げられている。
踏破群について
一から十二まで存在。各々の群長は防人最精鋭が、隊員は準防人レベルの人間しか務めることができない。特殊霊技能を持たぬ兵士たちの憧れの場所。
隊員数は各隊により変わっており、最小二人、最大二十人。元々は魔物側の新しい戦略であるダンジョンを攻略するために設立された部隊であったが、今となってはダンジョン攻略はしないが最精鋭部隊であったり、何かを専門とした部隊という側面の方が強い。政府側が士気向上のため踏破群の称号を多くの部隊に与えることに集中したため、本来の意味から大きく外れている。
また、部隊名はそれぞれの部隊設立の経緯であったり、目的、業務などを由来としており、様々。例えば、二章に登場した第四踏破群であれば、先任の群長がそれぞれの勇士たちが一つの結晶となり、戦うべきだと口癖のように言っていたことが由来となっている。
特殊作戦独立小隊 踏破群
第一踏破群 完全無欠の夢
第二踏破群 戦星
第三踏破群 比類なき国士
第四踏破群 勇士の結晶学
第五踏破群 夜明け前五秒
第六踏破群 鳥兜
第七踏破群 三献の儀
第八踏破群 湖月騎士団
第九踏破群 卍傾奇者御一行
第十踏破群 雌雄一対
第十一踏破群 新戰組
第十二踏破群 棋聖会
サキモリ五英傑について
二十年前の大侵攻の際、大功を立てた五人の防人。それぞれが歴代最強クラスの実力を持っており、その武名は天下に轟いている。彼らの名前を聞いたことのないものはいないほど。
しかしながら二名が行方不明。一人が引退し、現役なのは二人のみ。
剣聖
識君
時の氏神
空の魔王
魁
反政府勢力について
政府に反し、破壊活動を行う過激派の集団。血脈同盟が最も大きい。それに加えて、剣空会と呼ばれる剣客集団が存在する。血脈同盟に関しては、第四十三話を確認されたし。
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