第3話 使命(4)
2人は一番奥にやって来た。そこには閃光神ルーネがいる。閃光神ルーネはどこか深刻な表情だ。何かを考えているようだ。
「何かありましたか?」
「レイラがいなくなったのだな?」
閃光神ルーネはレイラがいなくなったことを知っているようだ。さすがは最高神。世界の全てを知ることができる。
「はい」
2人は驚いた。知っていたとは。これが最高神の力だろうか?
「神龍教がさらった。ついに神龍教が復活したのだ」
「そんな・・・」
シンシアは驚いた。まさか、レイラが神龍教にさらわれるとは。一体、どうしてさらったんだろう。シンシアは首を傾けた。
「奴らはレイラを生贄に捧げようとしている。王神龍は人間の憎しみを力としている。人間の憎しみを生んだ者の魂を捧げることで世界を作り直す力を蓄えることができる」
「そうなんですか」
その時、シンシアはレイラが最近見ている夢の事を思い出した。まさか、あの夢が現実になるのでは? だとすると、レイラはもうすぐ生贄に捧げられる? シンシアは拳を握り締めた。絶対にこんなことは許されない。友達は私が守る。生贄に捧げられてたまるか!
「王神龍は元々人間だった。だが、いじめによって人間への憎しみが強くなった。そして、人間を滅ぼしたいと思うようになった。それを犬神に見抜かれ、世界を作り直す神、王神龍となった。憎しみを力とするのは、その理由だ」
閃光神ルーネは王神龍の事をよく知っていた。シンシアはその話を真剣に聞いていた。人間の感情が邪神を生むなんて。
「私、レイラを助けたい!」
レイラは決意した。レイラを、そして何より、この世界を救いたい! そのためには4人の仲間を見つけ出さなければ。
「ならば、行け! そして、世界を救う4人を探し出せ!」
「はい、かしこまりました!」
そして、シンシアはレイラを、そして世界を救う4人の仲間を探すために旅に出ることにした。まずは、そのリーダーであるサイカシティのジーダに会わなければ。残された時間はいつだろう。だが、1日でも早く探し出さなければ。
「さぁ、町に戻ろう」
「うん」
シンシアは真剣な表情になっている。いよいよその時がもうすぐ来るんだ。そう思うとシンシアの表情が変わった。今までの優しい表情ではなく、戦う女の顔だ。これから長い冒険に出る。生まれた時からそれは決まっていた。今こそその使命を果たす時。
「町に着いたら、しばらくお別れだね」
「うん」
2人は祠を後にして、町に戻ることにした。町に戻ったら、シンシアは世界を救う旅に出る。ついに、その使命を果たす時が来たんだ。シンシアは拳を握り締めた。
2人は行った洞窟を引き返した。だが、あと少しで出口の所で、敵が襲い掛かってきた。3匹の黄色いドラゴンと2匹の赤いオオカミだ。
「星の力を!」
シンシアは魔法で大量の隕石を落とした。5匹はダメージを受けたが、びくともしない。
「食らえ!」
ティムは炎を帯びた爪で引っかいた。赤いオオカミは表情が苦しくなった。
「ガオー!」
赤いオオカミはシンシアに噛みついた。だが、シンシアはびくともしない。
「グルルル・・・」
もう1匹の赤いオオカミはティムに噛みついた。だが、ティムはびくともしない。
「ギャオー!」
黄色いドラゴンは炎を吐いた。だが、2人ともびくともしない。
「グルルル・・・」
もう1匹の黄色いドラゴンは氷の息を吐いた。それでも2人はびくともしない。
「ガオー!」
更にもう1匹の黄色いドラゴンはシンシアに噛みついた。シンシアは表情が苦しくなった。
「癒しの力を!」
シンシアは魔法で自分を回復させた。
「覚悟しろ!」
ティムは雷を帯びた爪で引っかいた。赤いオオカミは倒れた。
「グルルル・・・」
黄色いドラゴンはシンシアに噛みついた。だが、シンシアはびくともしない。
「ガオー!」
別の黄色いドラゴンはティムに噛みついた。それでもティムはびくともしない。
「ギャオー!」
更にもう1匹の黄色いドラゴンは炎を吐いた。だが、2人はびくともしない。
「グルルル・・・」
赤いオオカミはティムに噛みついた。ティムは表情が苦しくなった。
「癒しの力を!」
シンシアは魔法でティムを回復させた。
「食らえ!」
ティムは炎を帯びた爪で引っかいた。赤いオオカミは倒れた。
「グルルル・・・」
黄色いドラゴンは炎を吐いた。だが2人はびくともしない。
「天の怒りを!」
シンシアは魔法で雷を落とした。3匹はダメージを受け、2匹の黄色いドラゴンは体がしびれた。
「食らえ!」
ティムは雷を帯びた爪で引っかいた。黄色いドラゴンは倒れた。
「大地の力を!」
シンシアは魔法で地響きを起こした。2匹の黄色いドラゴンは表情が苦しくなった。
「覚悟しろ!」
ティムは雷を帯びた爪で引っかいた。黄色いドラゴンは倒れた。
「とどめだ! 氷の力を!」
シンシアは魔法で黄色いドラゴンを氷漬けにした。黄色いドラゴンは倒れた。
「ここでも敵が出るのか」
「しつこいわね」
シンシアはため息をついた。だがその直後、敵が襲い掛かってきた。2匹の黄色いドラゴンと3匹の1つ目のヘビだ。
「雪の力を!」
シンシアは魔法で吹雪を起こした。5匹はダメージを受け、3匹の1つ目のヘビは氷漬けになった。
「食らえ!」
ティムは炎を帯びた爪で引っかいた。だが黄色いドラゴンはびくともしない。
「ガオー!」
黄色いドラゴンは炎を吐いた。だが2人はびくともしない。
「グルルル・・・」
もう1匹の黄色いドラゴンは雷を吐いた。それでも2人はびくともしない。
「天の怒りを!」
シンシアは魔法で雷を落とした。5匹はダメージを受け、3匹の1つ目のヘビは表情が苦しくなった。
「ギャオー!」
黄色いドラゴンはシンシアに噛みついた。それでもシンシアはびくともしない。
「グルルル・・・」
もう1匹の黄色いドラゴンは炎を吐いた。2人はダメージを受け、シンシアは表情が苦しくなった。
「癒しの力を!」
シンシアは魔法で自分を回復させた。
「覚悟しろ!」
ティムは炎を帯びた爪で引っかいた。黄色いドラゴンは表情が苦しくなった。
「グルルル・・・」
黄色いドラゴンは雷を吐いた。だが2人はびくともしない。
「ガオー!」
もう1匹の黄色いドラゴンはティムに噛みついた。ティムは表情が苦しくなった。
「癒しの力を!」
シンシアは魔法でティムを回復させた。
「食らえ!」
ティムは雷を帯びた爪で引っかいた。黄色いドラゴンは倒れた。
「グルルル・・・」
残った黄色いドラゴンはシンシアに噛みついた。だが、シンシアはびくともしない。
「天の怒りを!」
シンシアは魔法で雷を落とした。4匹はダメージを受けた。3匹の1つ目のヘビは倒れた。残った黄色いドラゴンは表情が苦しくなり、体がしびれた。
「とどめだ!」
ティムは雷を帯びた爪で引っかいた。黄色いドラゴンは倒れた。
「シンシアは強くなったな」
「全部お父様のおかげなの。私、自分の使命を知った時、今まで教えてきたのは、この時のためなんだなって思ったの。今こそ、お父様にそれを感謝する時なの」
シンシアは笑顔を見せた。褒められて嬉しかった。
2人は町に向かって再び進み始めた。だが、再び敵が襲い掛かってきた。3匹の黄色いドラゴンと3匹の赤いオオカミだ。
「氷の力を!」
シンシアは魔法で6匹を氷漬けにした。6匹はダメージを受け、2匹の黄色いドラゴンは2匹の赤いオオカミは氷漬けになった。
「食らえ!」
ティムは氷を帯びた爪で引っかいた。赤いオオカミは表情が苦しくなった。
「ガオー!」
赤いオオカミはシンシアに噛みついた。だが、シンシアはびくともしない。
「グルルル・・・」
黄色いドラゴンは雷を吐いた。だが2人はびくともしない。
「天の怒りを!」
シンシアは魔法で雷を落とした。6匹はダメージを受けた。1匹の赤いオオカミは倒れ、残りの2匹の赤いオオカミは表情が苦しくなった。
「覚悟しろ!」
ティムは氷を帯びた爪で引っかいた。黄色いドラゴンは少し表情が苦しくなった。
「ガオー!」
黄色いドラゴンは炎を吐いた。シンシアは少し表情が苦しくなった。
「癒しの力を!」
シンシアは魔法で自分を回復させた。
「食らえ!」
ティムは氷を帯びた爪で引っかいた。黄色いドラゴンは倒れた。
「大地の力を!」
シンシアは魔法で地響きを起こした。4匹はダメージを受け、2匹の赤いオオカミは倒れた。
「食らえ!」
ティムは雷を帯びた爪で引っかいた。黄色いドラゴンは表情が苦しくなった。
「星の力を!」
シンシアは魔法で大量の隕石を落とした。1匹の黄色いドラゴンは倒れ、もう1匹は表情が苦しくなった。
「とどめだ!」
ティムは雷を帯びた爪で引っかいた。残った黄色いドラゴンは倒れた。
「あと少しで町だね」
「うん」
目の前を見ると、あと少しで町だ。だが、あと少しの所で敵が襲い掛かってきた。2匹の黄色いドラゴンと2匹の1つ目のヘビと赤いオオカミだ。
「雪の力を!」
シンシアは魔法で吹雪を起こした。5匹はダメージを受け、1匹の黄色いドラゴンと1つ目のヘビは氷漬けになった。
「食らえ!」
ティムは氷を帯びた爪で引っかいた。赤いオオカミは表情が苦しくなった。
「ガオー!」
赤いオオカミはシンシアに噛みついた。だが、シンシアはびくともしない。
「グルルル・・・」
もう1匹の赤いオオカミはティムに噛みついた。だが、ティムはびくともしない。
「ギャオー!」
黄色いドラゴンは炎を吐いた。だが、2人はびくともしない。
「星の力を!」
シンシアは大量の隕石を落とした。5人はダメージを受けた。赤いオオカミは倒れ、残った赤いオオカミと1つ目のヘビは表情が苦しくなった。
「覚悟しろ!」
ティムは雷を帯びた爪で引っかいた。赤いオオカミは倒れた。
「グルルル・・・」
黄色いドラゴンは炎を吐いた。ティムは表情が苦しくなった。
「癒しの力を!」
シンシアは魔法でティムを回復させた。
「食らえ!」
ティムは炎を帯びた爪で引っかいた。黄色いドラゴンは表情が苦しくなった。
「ガオー!」
黄色いドラゴンはシンシアに噛みついた。シンシアは表情が苦しくなった。
「癒しの力を!」
シンシアは魔法で自分を回復させた。
「食らえ!」
ティムは氷を帯びた爪で引っかいた。黄色いドラゴンは倒れた。
「雪の力を!」
シンシアは魔法で吹雪を起こした。2匹はダメージを受け、表情が苦しくなった。
「覚悟しろ!」
ティムは雷を帯びた爪で引っかいた。1つ目のヘビは倒れた。
「とどめだ! 氷の力を!」
シンシアは魔法で黄色いドラゴンを氷漬けにした。黄色いドラゴンは倒れた。
2人はエムロックタウンに戻ってきた。もうお昼だ。町はいつものようにのどかだ。本当に神龍教の手が迫っているんだろうか? 人々は全く知らないかのように生活している。
2人は家に戻ってきた。だがシンシアは家に入らない。このまま旅立つ。そう思うと、ティムは少し寂しくなった。だが、世界を救ったらまた戻ってくる。永遠の別れではない。また会えるんだ。そう思うと、そんなに寂しくない。
「本当に行くんだね」
「うん」
シンシアは笑顔を見せた。どんな時でも笑顔を忘れずに生きていこう。
「今まで秘密にしてたんだけど、俺、知ってた。でも、そんなことを気にせず生きてほしいと思って、言わなかったんだ」
実は、ティムはその子を引き取った時、この子は将来世界を救う子だと閃光神ルーネから聞かされていた。だが、その時が来るまで言わなかった。自由に、自分らしく生きてほしいと思っていた。
「ふーん」
「神龍教の事も、世界が危機って事も、仲間の事も」
ティムは神龍教の事を知っていた。子供の頃、昔話で聞いた事はあっても、本当にこんなことがあったんだろうかと疑問に思っていた。だが、閃光神ルーネからその事を知らされて、本当にあった事だと知った。そう感じて、ティムはシンシアを大事に、一生懸命育てようとした。
「そうだったんだ」
シンシアは感心した。これまでティムが育ててきたのは、たまたま拾ったからではなくて、大きな使命があったからなんだ。今こそティムに、そして閃光神ルーネに恩返しする時なんだ。
「ついにその時が来たんだね」
ティムは空を見上げた。いよいよその時なんだ。世界を救うために5人の魔族が再び立ち向かう時なんだ。
「今までお父様が教えてきたことは、このためだったんだと信じてる。だから今、世界を救って恩返しするんだ」
「いいこと言うじゃないか!」
ティムはシンシアの頭を撫でた。ここまで育ってくれてありがとう。いよいよ自分の使命を果たす時が来たんだ。必ず世界をを救ってここに戻ってくる。世界を救って帰ってきたらまた会いたいな。
「それじゃあ、行ってくるからね」
シンシアはティムに向かって手を振った。
「ああ」
シンシアは生まれ育ったエムロックタウンを後にした。目指すはサイカシティ。サイレス港からリプコット港へ船で向かう。そこからサイカシティへ向かう鉄道へ乗り換える。早く見つけて世界を救わないと。レイラも、ティムも、みんないなくなってしまう。
シンシアは後ろを振り向いた。エムロックタウンはもう見えない。あるのはお父様のいる山だけだ。今度帰ってくるときにはみんながいるように。あの町が残っているように。必ず世界を救って町に帰ってくる。シンシアは拳を握り締めて、一歩一歩力強く、再び前を向いて歩き出した。
もう振り返らない。絶対に仲間を探して、世界を救って、町に帰ってくる。そう決意し、シンシアは海の向こう、サイカシティに向かった。ジーダに会うために。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます