第7話 フォレストウルフ:レオン
「うーん、この辺にいるかな?ちょっとサーチを使おうかな」
無属性魔法のサーチでは、一定範囲の魔物や素材を発見することができる。
サーチの効果範囲にある対象物は脳内のイメージでは光の点となって現れ、その色が紫、青、緑、黄色、赤の順に価値が高いことを意味する。
サーチを使ってみるとかなりヒットしてる。
いろんな色が浮かんで見えるが、ここからスライムを見つけ出すためには、サーチでスライム以外を除外するっと。
お、ぐんと減ったけど紫や青の点は残ったぞ。よし、行こう。
「ダイロン、右のほうにちょっと走って行ってくれないか。そっちに何匹かスライムがいるみたいなんだ。」
「わかった。行くぞ!」
「森の中なのにずいぶん早く走れるんだな。」
「もともとここに暮らしていたからな。それにわしはエアキックエルクだぞ。何なら地上だけではなく、空中もかけることができるがやってみるか?」
「そうか、それはかなりすごいな。今は地上を走ってくれ、そんなに障害物が多いわけでもないから。」
「わかった、そうしよう。」
「でも、空中を駆けることができるっていうのはちょっと気になるな。帰りにでも体験してみたい」
「そうだな、そうしようか。」
「お、そろそろだ、ちょっと速度を緩めてくれ」
「うむ。ん?ヨウイチロウ、どうやらスライムたちは何かに追い詰められているみたいだぞ。」
「何?もしかして魔物か?」
「そうだ。あれは…フォレストウルフの群れだな。どうする。向こうはまだこちらには気づいていないようだが。フォレストウルフは魔物としては中級レベルだな。」
「そうか、もしかしてテイムできたりするかな?」
「ん?テイムしたいのか?できると思うぞ。ほしかったのはスライムじゃないのか?」
「スライムも欲しかったが、もしほかの魔物もテイムできるなら、テイムにも興味があるからな。」
「そうか、フォレストウルフくらいなら何とかなるだろう。どうやる?」
「俺たちが近づいても逃げないかな?」
「たぶん大丈夫だ。」
「じゃあこのまま近づいてくれ。もし襲ってきたら殺さない程度に対処してくれ。」
「わかった。」
「ウォン、ウォンウォン」
「お、気づいたようだな。」
「そのようだな。」
「じゃ、さっそくテイムと行きますか」
俺はさっとダイロンから飛び降りて、群れでスライムを取り囲んでいるフォレストウルフたちに威圧をあてる。
こちらに気づいたときは襲い掛かろうとしていた群れの大半が威圧の効果で驚きキャンキャンいいながら森の奥へ逃げていく。
残ったのは5匹だけで、彼らもじっとこっちをにらみつけているものの襲ってこようとはしない。
「よしよし、そのまま動くなよ。お前たち、俺の従魔にならないか。さもなくば・・・」
話しかけながら彼らのリーダーと思しき個体の頭に手を触れて魔力を流す。
俺の魔力とフォレストウルフの魔力が絡むような感覚があったのち、
「うっす。俺たちご主人様にお仕えするっす。だから、命だけはお助けをっす!」
という思念が伝わってくる。
「そうか、従魔になってくれるんだな。ありがとう。」
どうやら従魔契約に成功したようだ。
なんともあっけなかった。
今従魔契約したのはこのリーダーだけだが、続いてほかの個体とも契約していく。
無事5匹と契約することに成功した。
フォレストウルフは灰色の毛皮で目はグリーンがほとんどだが、リーダー格の個体だけは少し青が入っている。
無属性魔法の鑑定で個体ごとの情報を読み取ると、リーダーはエルダーフォレストウルフとなっていた。
確かに、ほかの個体よりも体つきが大きい。
「お前が群れのリーダーだな?名前を付けたいんだが、リオンはどうだ?」
「うっす、今日から俺っちリオンっす!」
「よしよし、いい子だ。」
腹をなでてやると犬っぽく地面に転がって気持ちよさそうにしている。
ほかのフォレストウルフも羨ましそうにしているが今はお預けだ。
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