第558話 この景色を一生忘れない

超天気が悪く走りたくないと思っていた。


みんなマラソンをしていた。


しかし、どんどん南の空の天気が悪くなるように感じた。


自分はこの日を一生忘れないと思った。


南の空は晴れて、ものすごいきれいな天体観測ショーを見ることが出来た。


すべてどうでも良いとさえ思えた。


空はまるで星の海だった。


星座が実体化して泳いでいるようにさえ感じた。


昼なのに満点の星が見えたのだ。


ちなみにマラソンは走らずに済んだ。


星空には切なく壮大な音楽が似合う。


深海のような曲がね。


海と宇宙が似ているというのはそういうことなのかもね。


知らんけど。


けれど、この星の海を泳ぐ星座たちの前ではすべてがどうでも良くなるよ。


この景色はこれから先、一生見れないであろう。


今この瞬間にこの景色を焼き付けておこう。

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