第41章 思わぬ展開④

 ゲバラは、赤い点をズームアップした地図情報を眼にして、がっかりした。なぜなら、居場所を特定したものではなかったからだ。赤い点をさらにズームアップすると、大きなリンクになり半径は100キロ以上もあった。要するに、このリンクの範囲のどこかに、ガーピスはいるらしいということだった。


「あのリンクは強烈なバリアーに包まれていて、外からでは詳細はわからない。他の地域と違って、あのリンクの中に侵入しようとした部下たちは全員殺害された。ただし成果はあった。あそこにガイガーがいるのは間違いない。あの輪の中のどこかにいる」

 大王が殺意を強く抱いた眼でリンクを見ていた。

 自らリンクの中に飛び込んで、ガイガーを殺害したいという眼だ。


「なるほど、そこで奴の居場所を俺に探させる、ということだ」

 ゲバラは合点したという顔で応じた。


「まあ、そういうことだ。おまえがガイガーを殺害したいなら、あそこに侵入する必要がある」

 リンクから眼を逸らした大王は、ゲバラの顔に眼をやった。


「私の部下も加勢する。どうする? やるか?」

 今度は心を読み取るかのような眼を向けてきた。


「ああ、わかった。ガイガーを倒せるなら、あんたの話に乗ろうじゃないか」

 ゲバラは即答した。


「よし、決まりだ」

 大王が不気味な顔を緩め、満足そうに声を返してきた。


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