第34章 究極のAI戦士、ゲバラという男②

 ゲバラは円盤を反転させて、ガイガー軍の監視網に気づかれないよう低空飛行で洋上にきた。そして海面に円盤を静止させた。


「ジュン、二人は緊急脱出用の高速潜水艇に乗り換えてくれ。ここから潜水していけば、ガーピスの軍に、奴らに気づかれずに本部に行ける」

 ゲバラは装備してある潜水艇に乗るよう促した。


「ゲバラ、あんたは、一緒に本部に行かないのか?」

 少し驚いた顔でジュンが訊いてきた。


「俺はまだやることがある」

 強い決意を滲ませた声を返した。


「それなら、僕も一緒についていくよ」

 ジュンがすぐに応じてきた。


「いや二人は本部に行くのだ。俺と一緒に行動して、おまえにもしものことがあったら、助けた意味がない」

 ゲバラはさらに強い声で返した。


「行く場所が危険なら、なおさら、あんた一人を行かせるわけにはいかない。僕は一緒に行く」

 ジュンも同じ口調で応じた。


「いや、だめだ。おまえにもしものことがあったら、おまえの母さんに、永遠に恨まれてしまう」

 今度は、いくぶん強い拒絶口調で言い返した。


 二人を最後まで守り通すと、竜司に約束したゲバラは、ときにはジュンに対して、父親のように行動してきた。

 二人を守れるなら、自分の身を犠牲にすることも厭わなかった。


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