第34章 究極のAI戦士、ゲバラという男②
ゲバラは円盤を反転させて、ガイガー軍の監視網に気づかれないよう低空飛行で洋上にきた。そして海面に円盤を静止させた。
「ジュン、二人は緊急脱出用の高速潜水艇に乗り換えてくれ。ここから潜水していけば、ガーピスの軍に、奴らに気づかれずに本部に行ける」
ゲバラは装備してある潜水艇に乗るよう促した。
「ゲバラ、あんたは、一緒に本部に行かないのか?」
少し驚いた顔でジュンが訊いてきた。
「俺はまだやることがある」
強い決意を滲ませた声を返した。
「それなら、僕も一緒についていくよ」
ジュンがすぐに応じてきた。
「いや二人は本部に行くのだ。俺と一緒に行動して、おまえにもしものことがあったら、助けた意味がない」
ゲバラはさらに強い声で返した。
「行く場所が危険なら、なおさら、あんた一人を行かせるわけにはいかない。僕は一緒に行く」
ジュンも同じ口調で応じた。
「いや、だめだ。おまえにもしものことがあったら、おまえの母さんに、永遠に恨まれてしまう」
今度は、いくぶん強い拒絶口調で言い返した。
二人を最後まで守り通すと、竜司に約束したゲバラは、ときにはジュンに対して、父親のように行動してきた。
二人を守れるなら、自分の身を犠牲にすることも厭わなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます