第21章 予想外の仲間⑧

「ごめんなさい。わたしたちのために」

 アマールが泣きそうな声で言うと、眼が赤くなっていた。


「いったい、あの爆発はなんなのだ?」

 答えは容易に予想できたが、改めて確かめようと訊いた。


「相手の数が多すぎて、逃げきれないと判断して自爆したの。こうなることも予想して、戦闘機には超重元素爆弾を積んでいた。それを爆発させた」

 まだ空を赤々と燃やしている煙を見たまま、ひどく悲しそうな声で説明してきた。


 その説明に、強い衝撃を受けた。まさか俺を助けるために自爆するなどとは、まったく考えてもみなかった。


「レーダーに映っていた敵の数は50体を超えていた。いくら彼らが優秀でも、6機では勝ち目はないし、逃げることもできない。俺たちだけでも逃がそうと自爆した」

 カストロが説明を継ぎ足すと振り向き、消えていく爆煙に瞳を注いでいた。


 その見つめる眼も、暗かった。涙こそ滲ませてはいなかったが、心情はアマールと同じなのだろうと思った。


 二人の言葉を耳にして、俺の心は通夜のように暗くなった。彼らは自分の命さえも犠牲にしてまで、なぜ? 俺を助けるのだ? その理由がさっぱり思い浮かばなかった。


 ただはっきりしていることは、俺を助けてくれた、という重い事実だ。ここにいる二人も。

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