第21章 予想外の仲間⑥

 今度は前方からだった。レーザー弾が雨あられと飛んできた。挟み撃ちにされたのか? もうG-ENDと思ったら、そうではなかった。レーザー弾は、俺たちの機の間を通って背後の誘導ミサイルを次々と破壊していた。そしてしつこく金魚の糞のように追ってくる飛行ロボたちも次々と撃破した。


「やっときたか。来るのが遅いぞ」

 カストロが少し不満のような言葉を吐きながらも、待ちわびていたぞ、とでも言いだしそうな表情を浮かべていた。


「まだよ。油断しないでよ、カストロ」

 アマールがレーザー弾を発砲し続けながら、声を張り上げてきた。


「ああ、わかっている。大事なお客さんが乗っているからな」

 カストロが声を返すと元の顔に戻し、逃避行をやめて戦闘に加わる態勢を取った。


 俺は、アマールたちの世間話、いや話を聞いていて、二人がヒューマノイドではなく、本物の人間のように思えてきた。二人の正体を知らなければ、本物の人間だとしか、誰も思うだろう。


 援軍に現れた機体が見えてきた。俺たちが乗っている円盤型とは違って、2等辺三角形のような戦闘機だ。助けにきたのは6機だ。6機はすぐさま大空を引き裂くような激しい空中戦を開始した。だが相手は、数が倍以上も多い。それでも6機は、次々と飛行ロボを撃破していった。どうやら、選りすぐりのパイロットたちが救援に来てくれたようだ。


 カストロも戦闘に加わり、飛行ロボと交戦を始めた。ドッドーン! 最後の飛行ロボが黒煙を上げながら落下していった。その光景を眼にして、ようやく助かったのだ、と安堵した。

 だが、新手が低い雲の合間から次々と現れた。その数は数十体だ。


「カストロ! 先に行け! ここは俺たちが食い止める」

 6機のリーダーと思われる男の声が、機内に広がった。


「すまない。みんな無事に逃げ延びてくれ」

 カストロは声を返すと機を反転させ、追撃してきた1体を撃ち落とし、一気に加速して戦場を離れた。


 俺が乗る円盤は、戦場から逃れるように離れていった。

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