第17章 助っ人現る②

 次は俺が撃たれる番か? と死の恐怖が頭に過ったときだった。何かが俺たちのすぐ側を横切っていった。横切ったのは、誰かが放った小型ミサイル弾だった。着弾した先は、ロボットたちがいる床だった。床は粉々に飛び散り、数体のロボットも床の破片と一緒に吹っ飛んだ。中には、抉られた床に開いた穴に落下していくロボットたちもいた。


 いったい誰が? ロボットを撃った相手は? 背後に眼をやると、 屈強な体系をした男が大型の銃器を構えていた。いったいあの男は? 本物の人間か? それとも女と同じヒューマノイド? だが今は、そんなことを考えている場合ではない。助けた相手が誰であろうと、助けてくれるなら、なんでもかまわない。


「アマール! 急げ!」

 男が、今度はレーザー弾を発砲しながら、女に向かって叫んでいた。


 どうやら女にも一応、名前があったようだ。マネキン1号、2号とかはではなく、人間の女風の名前だ。確かスペイン語に似た名前だったと思うが、意味は忘れた。


「さあ、早く!」

 男が怒鳴るように声を張り上げて催促してきた。


 生き残ったロボットたちが反撃を開始してきた。また激しい銃撃戦が始まった。


「さあ、先に行って!」

 アマールが俺のケツを蹴り上げるかのように大声で叫びながら、撃たれた肩を気にするそぶりもみせずに銃を連射していた。


 そして俺の身を守るように背後につき、応戦しながら援護射撃をしている男のもとを目指した。

 その間にも、せっかく生き返った俺の体をハチの巣にしようと、レーザー弾の雨が襲い掛かってくる。だが悪運が、俺たちにはまだあったようだ。いや俺たちではなく、俺1人かな? AIのヒューマノイドには運なんて、無縁だろ。

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