第16章 生死をかけた脱出⑧

 女が怖い顔をして振り返った。俺もそれに反応して、来た方向に眼をやった。

 瞳に映ったのは、新手のロボットたちだ! 現れたのは前方からではなく、走ってきた後ろの通路からだった。ここから約20メートル先だ。しかも数が倍以上も増えている。少なくとも10数体はいる。多勢に無勢。今度は隠れる場所もない。

 絶体絶命。こんどこそ、やられてしまう!


「走って!」

 女が叫ぶと、すかさず連続して発砲した。


 眼にも止まらぬ早打ちで、女は機関銃掃射のように連射し続けていた。撃たれた3体が後ろにのけぞって倒れた。外見からは想像もつかない女の凄腕に、俺は呆けたように口を開けた。


 だが、数がものをいった。ロボットたちもすかさず反撃してきた。またも目の前を双方のレーザー弾が飛び交う。周りの壁に穴が開き、壁の欠片が飛び散る。

 このままでは壁と一緒に、俺の体も抉られそうだ。


 すると、ガンガン! という壁が被弾する音に混じり、女も左肩を撃たれた。その勢いで壁にぶつかるように、女がよろけた。

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