第16章 生死をかけた脱出⑦
俺の妄想を消し去るように女に抱えられて上がった場所も、鉛色の味気の無い無機質な大きな通路が、曲がりくねるように長く続いていた。下の通路と造りはまったく同じで、窓は一つも見当たらなかった。ここが何階なのか、あるいは地下なのか、東西南北の方角さえも、さっぱりわからない。これでは俺一人では、迷い子になるのは確実だ。
いまは女の後に従って、脇目も振らずにただ走るだけだ。眼に入るのは、女の後ろ姿と、前方の照明の乏しい薄暗く続くトンネルのような長い通路だけだ。
すると1~2分ほど走ったところで、なぜか? 女がブレーキでもかかったように足を止めた。銃を耳元に構え、前方の通路を覗くようにしていた。
また、ロボットたちが襲ってくるのだろうか?
いや、そうではなかった。
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