第16章 生死をかけた脱出③
背後では、まだ激しい爆発音が続いていた。どうやら、俺たちの逃走劇と関係しているのはきっと間違いないだろうと思った。この女が事前に、爆弾をあっちこっちに仕掛けたのだろうか? いやAIが造った施設だ。爆弾の仕掛けから救出劇まで女一人でできるとは、とても思えない。ということは、他に仲間がいるのだろうか?
「こっちよ! また追手が来る前に、早く脱出しないと」
女に言われなくても、自分一人でも逃げるつもりだ。だが一人ではどこにどう逃げればいいのかわからない。いまは金魚の糞のように後をついていくしかない。
糞と違うのは、いざとなったら、単独でも逃げるつもりだということだ。
「伏せて!」
いきなり女に右腕を引っ張られるようにして、何かの配管なのか膝下ほどの管路の前に体をまた押し付けられた。
いったなんなんだよ? と口の中で文句を言おうとすると、ここから30メートルほど先の通路に、5体のロボットが銃を手に身構えて立っていた。
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