都会の密室で、夫が殺された。密室とは? 防犯カメラで監視された路上のこと。
カメラの死角で夫は刺された。
どこもかしこもカメラで監視されている。
なのに写っていたのは妻の陽菜子と通報者だけ。
ナイフに陽菜子の指紋が? いや、まだ分からない。
夫の死体からはスマホが消えていた。それは何を意味するのか?
第7話ですでに息もつかせぬミステリーが展開する。
そして、洗練された作者の感性。
女を惹きつける男の、何と不思議なダンディズム。
陽菜子の、女の特異な心理、宝石のようなプライド、そして魅力。それらがたっぷりのサスペンスを絡めながら展開されていく。
読んだらきっと、あなたはやめられなくなるでしょう。
とにかく、わたしもこの小説が好きなんです。
こんな作品、ちょっとない。
夫を突然何者かに殺害された主人公陽菜子の物語です。
今物語は中盤だと思いますが、始まってすぐから今までずっとモヤに包まれたような雰囲気が漂います。
陽菜子のアンニュイなオーラと殺害された夫(玜介)の持つ妖しい雰囲気。それに加えてどんどん深まる謎。
物語の内容もどんどんスケールが大きくなっていっていて、これは犯人の目星が全くつかないし、登場人物全員怪しく見えてくる、という展開。
心理描写がとにかく巧な作品で、陽菜子の困惑・絶望などがひしひしと伝わってきます。
早く続きが読みたい! と、更新を心待ちにしている自分が居ます。
本格的なミステリーです。暗い雰囲気のミステリーがお好きな方にはとてもおススメです♬
複雑な夫婦関係を築く主人公・陽菜子さんの夫が殺害される。
一緒に歩いていたはずの夫が横にいないと気付いた、ほんの僅かな時間のあいだに。
外での出来事なので、当然、監視カメラが犯人を暴いてくれるものと思っていたら、そうではなかった。
外なのに密室が出来上がる。
そのせいで、疑いは陽菜子さんへ。
そして追い打ちをかけるように新たな密室の事件が。
本格ミステリなので、推理も一筋縄ではいきません。
ネタバレになってしまうので詳しい事は書けませんが、読み進めていくと、こんな展開に繋がるのか!と唸らされます。
陽菜子さんと夫、そして、それぞれを取り巻く人々の人間模様が徐々に明かされていくのか楽しく、待ち遠しいです。
全ての謎が明かされる時、陽菜子さんにはいったい何が待ち受けているのか。
彼女はその時、前を向く事ができるのか。
陽菜子さんの心情が丁寧に描かれているので彼女の抱えているものに心苦しくなり、だからこそ、応援したくなります。
まだ物語の途中なので、事件が立て続けに起きて疲労困憊の陽菜子さんですが、そんな今はまだ頼りなげな彼女と共に、皆様も真実を見つけに行きませんか?
丸の内の一流企業に勤める陽菜子。
傍目から見れば、順風満帆な人生を送っていた彼女はしかし、浮気を繰り返す夫・玜介との間に、深い齟齬を抱えていた。
その夫が、彼女と二人で帰っている途上、何者かに刺殺される。
いったい、誰が、どんな理由で?
しかも、監視カメラの映像から、第一容疑者として疑われたのは陽菜子だった。
陽菜子は部下であり、財閥の一人息子である東雲とともに事件の謎に挑むが――。
タイトルの通り、読めば読むほど薄墨色の霧の中を闇へと深く沈んでいくような感覚になるミステリーです。
玜介を殺したのは誰なのか。
背後に何が横たわっているのか。
都会の密室はどんなトリックで作られたのか。
物語はまだ第二章の途中です。気になる方はぜひ追いかけてください!
突如、夫である玜介を何者かに殺された陽菜子。それは、二人で歩いている途中、ほんの少し目を離した一瞬の出来事でした。
しかし陽菜子の悲劇はそれだけでは終わりません。警察が玜介を殺しの容疑者と疑ったのは、他ならぬ陽菜子だったのです。
もちろん陽菜子は無実を訴えますが、状況的に一番怪しいのは彼女で、しかも捜査が進めば進むほど、疑いはますます濃くなっていく。
そんなミステリ要素満載な本作ですが、同時に陽菜子をめぐる人間ドラマでもあるのです。
上手くいっているとは言えなかった夫婦関係。玜介にとって自分はなんだったのか。そして自分は、そんな玜介をどう思っていたのか。
さらにはミステリアスな会社の後輩、東雲君の登場で、彼女を取り巻く環境はさらに一変。彼はなぜ、こんなにも陽菜子に構うのか。
何もわからないまま、謎に包まれた事件と陽菜子の心は、いったいどこへ向かっていくのでしょう。
浮気性な夫、玜介の妻の陽菜子。
夫の浮気癖に思う事が無いわけでは無いけど、この人はそういう人だからと諦め、何も言わずに日々を過ごしていたのですが。そんな夫が、ある日誰かに殺された。
いくら浮気癖があるとはいえ、夫が殺されたのです。心穏やかでいられるはずがありません。
ですが悲劇はまだ始まったばかり。なんと警察が容疑者として挙げたのは、妻の陽菜子だったのです。
そんな、陽菜子は無実なのにどうして! ポンコツ警察、もっとちゃんと調べろー!
しかし読み進めていると、どうやらこの事件、一杉縄ではいかないみたいで。殺された夫、玜介と、彼の身内に関わるきな臭い秘密が次々と明らかに。
知ってしまった夫の秘密。やってもいない容疑をかけられて、精神的に追い詰められる日々。
陽菜子の辛い心情がありありと描かれていて、読んでいて心苦しくなりました。けど読む手を止める気にはなりません。事件の真相を暴いて、陽菜子の無実を証明してほしいその一心で、読み進めていきました。
ハラハラが止まらないミステリー。
陽菜子の無実が証明されて幸せになってもらいたいですけど、最後までどうなるか分かりません。
物語は夫が刺殺された時、傍にいた陽菜子の視点で綴られます。
思う所の多い仲であった夫が、突如いなくなった困惑。目撃者、容疑者と扱われてゆく騒がしさ。時に思い出に浸り、全く別の事を考え、今の状況と似つかわしくない言動をする。
それが、妙な現実感。何か事件が起こったとしても、現実を生きていくという事をひしひしと感じさせます。
そして、思いや考えを多分に含んでいる、彼女の視点で物語が進んでゆくからこそ、写実のように鮮やかな、でも決して実写では語れない、彼女の心理、彼女の心のフィルターを通してみた世界を体感するようでした。
決して先の読めない、常に緊張をはらんだ展開。揺蕩うような薄闇の世界の中で、彼女が辿り着く真実とは―――。
結末に、驚かさせること、間違いありません。