第50話 噛みあわない会話問題について
めまいがするほど、時間ははやく過ぎて新しい年を迎えて半月が経った。
何をしたかと思い出そうとするも、かと言ってこれといったことをしたわけでもない。
でも、数年後、数十年後
この年明けを笑って思い出せるといいのだが。
年明け早々、勃発した。
離婚するしない事件。
こうなってくると、何がいいのかなんてさっぱり分からない。
でも一時の強い感情に流されてしまうのはどうかと思い悩む。
これが、例えば旅行するしない事件くらいの規模なら鉛筆をパタンと倒して決められるのに。
人生、始めることに遅いなんてことはない。
そう言うけど実際のところ、考える。
何とかなるといえばなんとかなるし、何とかするのだけど。
きっと私たちは噛みあわない会話を繰り返していたんだと思う。
結局は一方通行の意見で、ため込んだ想いはたまにたまに吐き出すと爆発する。
正反対の考えは、びっくりするほど違う。
そしてその違いをこんなに違うんだね、と確認し合う。
じゃあどうするよ。
この後が問題だ。
今まではここまでで私の涙を拭いて曖昧に進んでいたように思う。
今年の私は、じゃあどうするよ。
今ここで何かを決めようじゃないか。
そう強気で生きる努力をする。涙は止まらなくとも、気持ちが折れないように。
噛みあわない会話を、噛みあわないね~と話し合っていても永遠に噛みあわない。
それに耐えられるほどの気力はない。
噛みあわせを調整するように、どんな些細な問題もひとつひとつ解決まで話し終えられるか。
私は、会議の書記のように話し合ったこと結果を全てノートに書いた。
のちのち言った言わない問題になり、
忘れちゃったと言えばそれで終わりになる問題を回避するためだ。
今までと同じ噛みあわない話し合いじゃ、私の気力はすり減る一方だ。
会話の記録をノートに書いて、視覚的に残す。
そしてその日付、私のサインを書いた。
そして、相手のサインも書いてもらう。
すると、突然一語一句真剣にノートを読み返す。
そしてもう一度説明してほしいと言う。
ここまでしてようやくサインを書いた。
自分で書いたサインであれば、言った言わない問題、忘れちゃった問題、聞いてない問題、いろんなことへの第一歩となるだろう。
育った環境も、生きてきた場所も、考えてきた頭の中も違う。
最初から噛みあう人間同士はそうそういない。
それは分かっている。
だからこそ、噛みあわせを調整する気持ちがどのくらいあるのか。
一緒に生きていく為に調整しようという意思があるのか。
誰かと生きていくということは、そういうことだと思う。
「慣れて」
そんな一方的な言葉は嫌いだ。
私は変わりません、あなたが変わってね。そう聞こえる。
そんな一言にいちいち傷ついている自分が情けないけど、言葉は人を傷つける。
ひとつひとつ、噛みあわせを調整する。
そんな2022年の幕開け。
終
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