第28話 危険な動物園

北海道に危険な動物園と言われる動物園がある。


小さな動物園が森のおくにひっそりとある。

私はそこの動物園が好きだ。



ツンツンしているよりマルが可愛いと思うように、

小さくて、温かくて、柔らかいものを愛しいと思う。



私は毛がもふもふしている小動物が好きだ。

ダントツで犬が好きだけれど、その動物園でいろんな動物を触れ合えるので私は癒される。



危険と言われるのはなぜかと言うと、全て自己責任。なのだ。

自由に触って触れ合えるし、有料でエサもあげられる、柵の中へ入って動物と触れ合える。

しかし何が起こっても自己責任。というわけだ。



園内のあちこちにはガチャガチャがあって、100円か200円でエサが買える。

そしてそのエサを自分で直接あげることが出来るので、とても楽しい。


でも、ふと気がつくといろんなところで泣き声が聞こえる。

これはちびっこにとってはちょっと難易度が高いだろう。


こわいと泣いている子供を見かけると、そりゃこわいよねーと思う。



私でも、ペリカンが羽をバサバサとしながら向かってくる姿はとてもこわかった。

しかも柵がないからすぐ足元までやってくる。



いたるところに、はり紙があって持ち物を取られないようにご注意くださいと書いてある。

カメラを向けると動物たちはこちらに向かってくるのだ。

エサをもらえると思うのだろう。



私のお気に入りはカワウソだ。


カワウソのエサを手渡しであげることが出来る。カワウソは器用に片手でエサを握ってそれを食べる。その姿が実に可愛い。


なんといってもカワウソの指先がプニプニしているのだ。

気持ちいいし、握手をしてくれると嬉しくなる。



それから、ワラビーやカンガルー、マーラがいる柵の中に入って、ニンジンをあげるのが楽しい。

彼らはニンジンを両手でもって食べる。


そしてちょこちょこと飛びながらこちらにやってきては足元でニンジンを食べる。隣にしゃがんでも逃げることもなく隣でニンジンを食べている。

仲間になったような気分だ。



北海道ならではキツネもたくさんいて、キタキツネ、ギンギツネ、ホッキョクギツネの種類がいる。


ホッキョクギツネは冬は真っ白でふわっふわの毛をしているのに、夏は濃いグレーの毛になり別人になる。

それがまたどちらの姿を見てもとてもキュートだ。


その動物園では、限られたキツネだが有料で抱っこができる。

私はキツネが可愛すぎて生まれて初めて抱っこした。


キタキツネの冬毛は黄色が綺麗で毛のボリュームが半端ない。

抱っこしてるととっても温かくて、ふわふわ。

しっぽが特にボリュームがすごくてふわふわ。


見た目よりもずっしり重かったが、とても大人しく抱っこさせてくれた。

これは貴重な体験だ。



ここに来た最後は決まって、ハスキー犬と思う存分戯れてから帰る。

5匹のハスキー犬がいて、繋がれてはいるがこれまた自由に遊んでいいのだ。

女の子の2匹は、寝転がってお腹を撫でさせてくれるほど人なれをしている。


もう可愛いったらありゃしない。


突然ハスキー犬同士でじゃれ合いが始まることもある。

けっこう激しめに戦っているけど、どちらももの凄いしっぽをふっていて楽しそうだ。


そんなハスキー犬たちと30分以上は遊んでいたと思われる。



今回も無事に噛まれることなく、ひっかかれることなく、危険な動物園から脱出した。



もふもふ不足だった私は存分にもふもふを充電してきた。



もふもふ。

もふもふ。




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