第26話 くまのプーさん

私の部屋にはプーさんがいる。

何とも可愛い。



ディズニーは子どもの頃から大好きだ。


でも、どれかひとつのキャラクターが決まっているわけではなくみんな好きだった。

それが大人になってから、ふとした瞬間、プーが好きになった。



その日は、不眠症になり精神的にまいっているときで、ディズニーランドに行きたい!と突然でかけた。


夢の国へ現実逃避したかった。



今までもプーさんのハニーハントのアトラクションは何度も乗ったことがある。

いつも混んでいるので、その日はファストパスをとって乗った。

内容も分かっているのに、その日はなぜかプーさんのセリフがぐざっときたのだ。



アトラクションでは、プーさんは風船を手にハチミツを取りに行く計画をたてる。

風であおられて、風船を手にプーさんは空に飛んで行ってしまい、非常事態なのだが。


「あ~大変だ。」


全く大変そうじゃない、声とトーンで

まるで他人事のようにそう言うプーさん。



何だかその一言で私は気が抜けてしまった。

そうか。


自分のことでも、他人事のように「あ~大変だ。」と言ってしまえばいいのだ。

何だか少し楽になった。



プーさんのように「ハチミツ食べたいなぁ」そうやってのんびりしてみよう。

そう思えた日だった。



アトラクションから降りてもプーさんの声が頭に残っていた。


帰りに、プーさんのぬいぐるみを買った。

ぬいぐるみを買うなんて、しかも自分のために買うなんて、

大人になってから初めてだった。



ちょっと恥ずかしかったけど、その時の気持ちを忘れたくなかったのと

プーさんを自分の部屋にどうしても置きたくなった。



その日から3年近く経ったが、今もプーさんは私の部屋にいる。

たぶん、ここ3年で一番一緒にいる時間が長い。(笑)



それから、くまのプーさんの小説を読み。


映画「プーと大人になった僕」は3回見た。すごく良い。

「仕事ってなに?風船より大事なものなの?」


そんなプーさんの言葉は、大人にとってじんわりと温かみをくれる。



ちょっと辛い時はあえて声に出してみると言い。


棒読みぎみに、適当な感じで。

「あ~たいへんだ。」



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