第13話 不思議なテレビ観戦

色んな意味で話題となった東京オリンピック。

なんだかんだやっているとテレビで観戦していたオリンピック。


そんなステイホームで観戦した日曜日の出来事。



夫はめんどくさがりだ。

出したら出しっぱなしは基本。


そんな夫と、夜のサッカー日本戦を見ていた。


家のテレビの前にはローテーブルが置いてある。そのテーブルの上には、いつもティファールの電気ポットが置いてある。


そしてたいていテレビを見る時は長座椅子に座って見る。



その日もいつもと同じように、座椅子でサッカーの試合を見ていた。

サッカーには詳しくない2人だが、とりあえずガンバレニッポン!といったところだ。笑



前半が終わり、私はシャワーを浴び、髪の毛を隣の部屋で乾かしている間に後半の試合が進んでいた。

部屋と部屋の間はふすまがあるだけなので、開けておけばテレビも覗ける。


耳でサッカーを観戦しながら髪の毛を乾かしていた時、



「おぉぉぉ!」

試合が盛り上がっている声が聞こえた。


「何?どうなってる?」

私はテレビを見ているはずの夫に聞いた。


「分からない!」夫は言う。

分からないって今試合見てるじゃない!そう思って隣の部屋に行った。


「なんで分からないの?今おぉぉって言ったじゃん?」

「え。見えなかった。」


不思議な答えが返ってきた。



そうなのだ。夫は不思議な答えをする人なのだ。



「なんで見えないの?」

「ポットがあるから見えなかった。」


「はい?ポット?」

ティファールの電気ポットのことだ。


テーブルの上に置いてあるポットでシュートが見えなかったらしい。


ん?


座椅子に寝っ転がって座ってて、見えなかったらちょっと動けばよくない?

というよりポット使ってないんだから、どかせばよくない?



私の頭の中はハテナが浮かんだ。



「じゃあ、見えないのになんでおぉぉ!って言ったの?」

「実況中継の声がおぉぉ!って言ってたから。」


おーい。


見てないのに、あたかも見たかのようにリアクションしたのか。

どうしてそうなる?


逆に見えてないのに、そんなに盛り上がれるのが素晴らしいわ。


きっと自分が動くのも、ポットを動かすのもめんどくさかったのだろう・・・。



コントのような会話だった。

不思議だ。

夫といると、どうしてそうなる?ということが多い。



朝ごはん食べただけなのに、どうしてそんなにこぼす?といったぐあいだ。


夫は自分が気にならないから、気付かない。

結局、気になる私がカーペットをコロコロ、テーブルをふきふきすることになる。



朝コロコロ、夜コロコロ、


私は今日もコロコロと共に過ごしている。



終。




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