第10話 秘密結社突入作戦・上
投下されるつぶれた六角形の様なコンテナ、それは空中で形を変え四っつの推進機械を展開し、SF的デザインのドローンの様な見た目の無人航空機となって飛行する。
『おい、都市の輸送機だ。』
崩壊しつつある地下施設、位置的には地下都市の外、壁部のスクリーンの下部に接続された地上のへの出入り口、交通インフラが機能していた頃は、この辺りも物流の要として栄えていたらしいが、戦時下の人口減少にともない放棄され、現在のような廃墟となっている。
そんな廃墟の一部から、双眼鏡を装備した二人組が、都市の無人航空機をのぞいていた。
『乗っ取れるが?』
都市の機械に対し、敵対的な会話を行う二人組は、秘密結社のメンバーである。
『この種類はダメだ、行動パターンを収集するか?』
相方の問いに少し悩むが、ボールドローンと呼ばれる球体の警備機械の発射を確認したところで判断を決める。
『仕方ない、もう少し奥に潜るぞ。』
(武力では何も解決しない、それは分かっているのですが、同時に最も多くの事柄を解決してきたのです。だからこそ地下都市にも戦力はあるのです。)
『秘密結社、正常回路の解体及び職員の確保を行うのです。』
『『了解しました』』
強化スーツを含む統一された武装に身を包む、B(ブルー)の職員が整列している。
『かれらは現在、コンピュータの軍事通信に対する何らかの脆弱性を把握していると思われ、いくつかの工作機械及び軍用機械の鹵獲をされており、また一定以上のナノマシーン技術を保有していると思われ、脳内で通信を行っている可能性があるのです。』
都市の戦力は大きく分けて2つ、都市防衛軍と治安維持部隊、ごちゃごちゃと誰かの私兵だったり、軍閥化してたものは、警備会社として分離するか、解体して吸収合併を行い、一先ずはクリーンな物に戻したので規律はそれなりに高い。
『彼らもまた市民であり、諸君らには都市を守る市民としてのふさわしい行動を期待するのです。』
強化スーツを着たうえで、理論上可能な速度で治安維持部隊が先行する。
一部の感情にマスキングをかけた彼等は、機械のような正確な動きで廃墟に接近し、随伴するボールドローンと共に廃墟へと侵入する。
数人ほど薬物の入った注射器で眠らせた所で、異変に感ずいた者らによる牽制射撃が行われるが、それに対し壁や天井利用した立体的な動きで攻撃をかわし、四肢に弾丸を打ち込む事で武装した市民を無力化する。
『B-3より、0-1エリアの制圧が完了しました。』
『A-1了解、B班は警戒しつつ敵戦力の無力化に努めよ、C班は情報収集が済み次第α隊に合流せよ。』
A班は防衛用タレットを設置するなどして簡易的な陣地を構築、いくつかの壁やその他構造部を破壊し航空機の発着所を確保、武装解除した市民を収容した無人機械ごと後方に送る。
『コンピューターより部隊αへ、戦闘用ドロイドを起動させたのでデータをリンクさせるのです。』
航空機から排出されたコンテナから、ビデオカメラとヘルメットを合わせた様な一つ目の頭部に、重装の防弾チョッキを纏った様な見た目の二メートルほどの人型ドロイドが大量に現れ、手持ちの破城槌としても使える様なデカく無骨な重火器を中腰に構え、戦闘中のB班と合流すべく行動する。
『了解コンピューター、こちらA-1戦闘ドロイドの機動を確認した、A班は引き続き発着ポイントの保持を続行する。』
随伴するボールドローンと共に、戦闘ドロイドとの合流を待つB班の足場の床が突如として崩れ始めた。
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