クラブアップルの揺れる木陰から、心温まるストーリーを眺め見て

列車に一時間半揺られ、主人公のミリーが向かう場所。
過去の出来事からまだ立ち直れず、その素敵な自分を真っ黒な装いで隠し守っている。そんな彼女は大好きな叔母の家でお茶会を……と少し心を躍らせていると、思わぬハプニングで予定は中止に。

小さな偶然が、引き寄せられた糸のように絡まり、そして解いてくれた髪のようにゆっくりと彼女を導いてくれる。

秋の輝く英国の田園風景と、そこを優しく吹き抜ける風が感じられるような。
ミリーのように、私もそんな素敵なお話に出逢ってしまったような気分です。

彼女がそこで出逢ったのは自分を隠さない正直な人。
小さな失敗も、試みも、一緒に笑顔で切り分けながら。

秋の黄金色の木漏れ日と、たまに酸っぱいクラブアップル。
沢山の風景に彩られて、ページをめくる度に素敵な気持ちにさせてもらえる物語。


ちょっと足を止めて、アナタもこちらの物語へお散歩にいらしては?

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