第81話 エピローグ
「あんた、これからどうするつもりなの?」
「一人で冒険者になる」
「そんな無茶よ!クラスのみんなもマレットさんのおかげで回復したわ。きっとあんたのこともクラスのみんなは認めるはずよ……一緒に日本に帰りましょう」
「断る」
「えっ……」
「俺は所詮陰キャだ。お前たちとはきっとなじめない。異世界人の方が優しいしな……俺の理想は……いやなんでもない」
「何よ」
俺の理想が異世界に来てすぐそばにあったなんてあまりにもくさいセリフだと思って言うのをやめた。
「でも……あんたがいないと私たちはたぶんだけど……もう日本に帰れないかもしれない」
俺は「そんなこと俺が知るかよ」といってそれでも俺を強引に厚かましく俺のことを勧誘する花蓮に俺は心の底から思いっきり笑って言い放つ。
「もう遅いんだよ」
そういって彼女は言葉なくうつむく。
俺はこの異世界で生き抜く。
まだ見ぬ仲間と、そして今までに出会った多くの仲間との日々に思いを馳せながら俺はシエスタとカルナの元へと歩く。
花蓮がやがて手を振りながら、俺の名を呼び感謝の言葉を叫ぶ。
異世界の澄み切った青い空が俺を讃えていた。
第一章 FIN
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