第60話
「ごめんなさい。冒険の道中、私はみんなが私より強いと考えていてみんなのサポートに集中していた」
しびれを切らしたサテュガンが花蓮を薙ぎ払おうとする。
「だから、この技は奥の手として隠しておいたんだけど」
ムセンとポールにむけられたものより速いサテュガンの攻撃にアリサが危ないと叫ぶ。
サテュガンの攻撃によって土埃がでる。
それが消えた瞬間の出来事だった。
薙ぎ払ったサテュガンの腕から大量の切り傷ができ、紫色の鮮血がほとばしる。
※ ※ ※
花蓮はサテュガンの右肩に立ち、悲鳴を上げるサテュガンをよそに剣についた血を振り払う。
「すごい……」アリサが驚く。
「私の少ない魔力では十分の時間稼ぎが限界!その間にみんなはシエンさんたちを連れて山を下りて……浅井……いやリョウキ。あんたがみんなを守るのよ!」
俺たちは頷き、ムセンが狼男となってポールとカルナを、アリサがシエンを運ぶ。
俺はメイスを両手でもつ。
なぜ花蓮の剣がサテュガンに傷をつけられるかはわからない。
花蓮が一人だけ街に戻ってこれたのも、クラスメイトのリーダーになったのもあの剣の実力があってこそだろう。
だが、この機会を逃せば、みんな全滅する。
俺たちは急いで山を下ろうとした。
方向転換して俺たちは走りだす。
俺は少しだけ不安を感じ振り返ってしまう。
見ると片腕だけサテュガンは前に突き出して紫色の魔法陣を発生させようとしていた。
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