12
その後、彼の言う通り、私はウィジャ盤のことは忘れるようにして、二人に接しました。すると、奇妙なことにウィジャ盤のことはすっかり誰も口にせず、また三人で仲の良い健全な学校生活がはじまったのです。はじめこそ私は二人がウィジャ盤について話さないことに疑問を抱いていましたが、二人もウィジャ盤遊びが飽きたのだろうと思いました。そもそも、ウィジャ盤なんかなくても私たち三人は仲がよかったのです。マユズミさんに相談したことで、また充実し、健全な学校生活が戻ってきたのです。
そして、私は秘密を抱えた生活も送っていました。それは、その後もマユズミさんと出会っていたことです。このことは千恵子さんや時子さんにも内緒にしていました。しかし、以前のウィジャ盤遊びのように後ろめたいことがあったからではありません。むしろ、マユズミさんと出会うたびに、私は彼にとって恥ずかしい人にならないようにと、学校での教養や修養を大切にするようになりました。
私が本屋へ行くと、いつも彼はそこにいて雑誌などを眺めていました。私は時子さんや千恵子さんのことや、勉強のことを話したり、それからヨーロッパのこと、特にフランスのことを詳しく教えていただいたきました。マユズミさんの話はいつも面白く、いつか私は彼と夏のフランスへ旅したいと思うようになりました。ルーブルの裏にある
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます